動物妖怪談
妖怪に関する本です。
主に、動物妖怪―化かすことで有名な、狐や狸など―を扱っていますが、それに限りません。天狗や河童も、取り上げられています。天狗にも河童にも、動物っぽいところがあるからです。
似た題名の本として、『動物妖怪譚』があります。これとは違う本ですので、混同されませんように。『~妖怪譚』のほうも、名著です。
こちらの題名は、『動物妖怪談』です。
この本は、千葉県にある歴史民俗博物館から出ています。歴博【れきはく】ブックレットというシリーズの一冊です。
歴博ブックレットは、置いてある本屋が少ないです。でも、手頃な値段で手に入る良書が多いです。この本も、良書の一つです(^^)
本書は、それほど厚くありません。気軽に読めます。
それでいて、内容は深いです。動物妖怪の歴史を、きちんと押さえています。
(妖怪としての)蛇と狐と狸の関係や、人に憑く動物妖怪の話、漂泊する宗教者と動物妖怪の関係、天狗の姿の移り変わり、あまり知られない鳥の妖怪など、興味深いことばかりが、書かれています。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
まえがき
第一話 天竺・震旦【しんたん】渡来の狐 玉藻の前
第二話 天竺・震旦渡来の狸 守鶴【しゅかく】
第三話 狸のポジション
第四話 憑きと攻撃
第五話 漂泊する人びとの影
第六話 狐なき里の狸
第七話 死霊と蛇
第八話 母のない子 河童
第九話 天狗をめぐる禽獣人類【きんじゅうじんるい】
第一〇話 とりで締めます
あとがき