「草の根のファシズム」吉見義明
祭祀中心の天皇の生活を変更させた明治政府は、五箇条の御誓文を掲げ、王政復古を宣言した。キリスト教の代わりに天皇を中心とした社会を目指したのだ。
「明治政府がやろうとしたのは、キリスト教の代替物としての宗教を作ることにありました。神の前の平等ならぬ、天皇の前の平等です。この観念を普及させることによって、日本人に近代精神を植え付けようと考えた。伊藤博文はこう述べている。"我が国にありて機軸となすべきは、ひとり皇室あるのみ"」。(日本人のための憲法原論・小室直樹)そして、キリスト