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2020年9月の記事一覧
バーチャル空間で建築見学!─メタボリズム・クオンタイズド ~旧都城市民会館3D Digital Archive~ワークショップレポート
菊竹建築設計事務所が設計し、1966年に竣工した旧都城市民会館。 老朽化などを理由に、惜しむらくは昨年解体されてしまった本建物ですが、有志によって実測が行われデジタルアーカイブとして残されています(経緯は下記のnoteに詳しく書きました)。 本プロジェクトは第23回文化庁メディア芸術祭(以下、メ芸)のエンターテインメント部門審査で委員会推薦作品に選ばれるなど一定の評価も得た、これからのデジタルアーカイブ活用において先見的なプロジェクトと言えるでしょう。 この度、デジタルア
書評 | Stephen Cairns & Jane M. Jacobs "Buildings Must Die : A Perverse View of Architecture"
「死」のクリエイティビティ これまで多くの建築理論では建物の「生」に主眼が置かれていた。建物は竣工によって誕生し、物理的・社会的要因により変化していく。建物の経年を生物の一生に例えたとき、「死」というネガティヴな側面は実際には避けがたいことであるにも関わらず、クリエイティビティを追求する従来の建築理論からは抜け落ちてきたのである。これに対して本書『Buildings Must Die』(2014)は、建築理論への「死」の概念の導入を試みる。 著者のステファン・ケアンズ(