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りんね と なまえ(書き出しと終わり3シリーズ/完結)

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診断メーカー「あなたに書いて欲しい物語3」でランダムに決まった「書き出し」「途中」「終わり」の文章の複数の結果を、一つずつスライドさせて使った掌編/短編
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#書き出しと終わり

輪廻する水際(掌編/短編)

 弾けて消えてしまう前に、私は短く、それを伝えた。    その時を待った。含羞草が葉を畳ん…

Neb-u1a
5年前
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彼岸花の庭(掌編/短編)

 全ての出会いには、意味があるらしい。確かに過去の私たちは、少しのずれもなく今の私たちへ…

Neb-u1a
5年前
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月のありか(掌編/短編)

 また来世で、と呟いた或る人はそのまま最後のステイジを迎え、別の誰かを思いとどまらせたの…

Neb-u1a
5年前
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蛍が夢を見る夜に(掌編/短編)

 ひっそりと祈るような恋だった。一方的な憧憬、つまりそれは、破滅に対しての。    初め…

Neb-u1a
5年前
4

夏のスリップ(短編・1/2)

     八月二九日・後編   「月は今日も綺麗ですね、先輩っ」 「……それ、『球』の話?…

Neb-u1a
5年前
3

夏のスリップ(短編・2/2)

 ←前編(1/2)        九月二日・断編    つぐははいつも通り券売機の前で待ってい…

Neb-u1a
5年前
4

私たちの全て(掌編/短編)

 時計の針は止まらない、その事が、正しく生きる君らしくて、私は好き。時間なんて、幾らでも確認出来るのに。スマートフォン、炊飯器、机の上の腕時計。電源を点ければ、給湯器のリモコンでさえも、こんな秋の夜を教えてくれる。君はそれでも一目で分かりやすい壁掛けの時計を飾ったし、その動きが鈍くなると、電池も面倒がらないですぐに代えたよね。先週の中頃、だっけ。つい最近だ。  フロアーに三つある内の、私たちの恵まれた部屋。向かいは無人、こっち側には隣室がなくて、階下の空間も住居じゃない。他よ

ギルド(短編・1/2)

 守れない約束があった。それは多分、記念日だから。        x x x   「秋思郎さ…

Neb-u1a
5年前
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ギルド(短編・2/2)

 ←前編(1/2) 「いよいよ、本当かも知れねえと思えちまったよ」  今はまだ辞めません、改…

Neb-u1a
5年前
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火葬(短編・1/2)

 手のひらから零れ落ちた栞が、瞬間、ふわりと片羽を持ち上げて、その後を絨毯へと垂直に降り…

Neb-u1a
5年前
4

火葬(短編・2/2)

 ←前編(1/2) 「……ユエムには、どう映った?」  昼前には話してあった、妹が感染してい…

Neb-u1a
5年前
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追憶は星の名前に照らされて(掌編/短編)

 ぱちんと弾けた後の静謐。思い出す、ゴム風船のその中に、仕込んでいた紙吹雪みたいに。 「…

Neb-u1a
5年前
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