【コロナで脱資本主義】エピソード11 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅱ
← プロローグへ
マルクんの講義の翌日、仕事を終えたアタシは長澤(ながさわ)という女性と食事をしていた。
アタシは、自動車の部品メーカーの東京本社で社長秘書をしている。長澤は私の前任者であったが、夫の地方転勤に伴って会社を辞めたために、アタシがその後釜に座った。
その日、長澤は所用で上京し、挨拶に立ち寄った古巣の社長室でアタシと対面し、アタシをレストランに誘い出した。
互いに面識はなかったが、仕事をバトンタッチした者同士という連帯感、それにワインの助けもあって