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京都の研究所で研究をすることを専門にしている大学教員。 研究室を運営している。 研究者の日常と好きなものを書いていく。

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京都の研究所で研究をすることを専門にしている大学教員。 研究室を運営している。 研究者の日常と好きなものを書いていく。

最近の記事

研究者のプレゼンスキル

研究室を主宰するようになる直前くらいから研究発表をする機会が増えた。 今年は年に13回である。 特にこの10月の2週間には5回の講演があった。精神的にきつかった。 引き受けすぎてしまったので、来年からはもう少しセーブしたい。 自分のResearchMapを見てみると、39年の人生で87回プレゼンをしているようだ。 日本語のプレゼンはだいぶ慣れてきた。京都大学、北海道大学、東京大学、名古屋大学、慶應義塾大学で60-105分間の講義をやってきたが、そこまで苦も無くできるようにな

    • 北海道大学に行ってきた

      北海道大学に行ってきた。 新千歳空港から電車で札幌駅へ。大学までは駅から10分程度。アクセスが非常に良いことにまず驚く。 そして、観光客の多さに驚く。特に中国からの団体客が多そうだった。 空気が澄んでいて、ちょうど紅葉している時期で、北海道大学構内のお散歩が気持ちよかった。 講演は1時間 x 2回行った。 「自分の研究の話」と「独立研究者になるまでの話」。 「独立研究者になるまで」の講演の方が質問が多く出た。 研究者にとってのあるあるを示してみたが、共感してくれた方々がいた

      • ラボトップの独立研究者は産休・育休で研究体制が詰む

        最近、同僚の研究者が出産のため産休・育休を取った。 その人も自身の研究室を運営しているのだが、産休・育休を取るにあたって、大学の制度が全然追いついていないことを目の当たりにした。 部外者の自分も話を聞いて絶句した。 まず、産休は法律で定められている休みである。 一人の人間を一人の人間から産み出すのだから、かなり身体的な負荷がかかる。身体を休める必要性は法律で守られている。 しかし、おそらくこれまで大学の教職員は出産に備えて長期間休むことが基本的になかった。教職員はほぼ男性

        • 日本の最北端に行ってきた

          遅めの夏休みをとって利尻島と稚内と宗谷岬へ行ってきた。 宗谷岬と言えば、この青い建物。 ドキュメント72時間で、この建物を見てから記憶に残ってはいたが、まさか自分が行くとは思ってもみなかった。感動。 (NHKドキュメント72時間 2014年2月28日放送 「最北のバス停で」) 三連休だからか、たくさんの人でにぎわっていた。 利尻島の利尻富士(独立峰で標高1,721m)にも登ってきた。 前日は、このそびえたつ山に登れるとは到底思えなかった。 朝5時半に出発して、下りてこられた

          「夜明けのすべて」著者:瀬尾まいこ

          audibleで聴いた。 PMS症状が強く出てしまう女性と、パニック症候群の男性が中心の話。 最初は、暗い、救いのない話かと思ったけど、二人が出会ってからの会話が面白く、職場にいる人たちもいい人だらけで、疾走感のある話だった。 現代社会では誰もが精神的な疾患に罹患してしまう可能性が高い。 一度精神を崩してしまうと、治療するのに長い期間が必要となる。 でも人は一人ではなかなか解決できないことも、二人になれば解決に向かって改善していくことがある。それは医者+患者だったり、家族

          「夜明けのすべて」著者:瀬尾まいこ

          「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」著者:宮島未奈

          audibleで小説を聞き始めた。 普段は目を酷使しているから、通勤途中やお昼ごはんの目を休めたい時に小説が聞けるのがうれしい。そういえば、自分は朗読を聞くのがめちゃくちゃ好きだったんだ。 「成瀬は天下を取りにいく」は話題になっていたから読んでみたいと思っていた。 高校生までの成瀬というキャラクターを取り巻く生活を、色んな人の視点から書いた本。最終的には、成瀬自身も親友を取り巻く一人の人間として描かれている。 成瀬みたいな、実直で計画性があって、やりたいことがあって、行動

          「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」著者:宮島未奈

          「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー1,2」ブレイディみかこ著

          確かラボメンバーの誰かが「めちゃくちゃ面白いから読んで」って言ってくれてたと思うのだが、誰がそう言ってくれてたか思い出せないまま読み終わった。すごく面白かった。一気に二巻分を読み終えた。 日本人の母ちゃんと息子と旦那が暮らすイギリスのブライトンでの話。 この言葉はこの本を通じたテーマであるし、読者の心にも残る言葉でもある。 日本にも徐々に人種多様性の波が打ち寄せてきている。 父母の国籍が違う場合、日本では「ハーフ」と言うのが一般的だが、言われる方にしてみればたまったもん

          「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー1,2」ブレイディみかこ著

          大学受験を思い出す

          お盆に高校二年生の姪の大学キャンパスツアーに付き添った。 京都は、ほとんどの大学のすぐ近くに観光名所があり、キャンパスツアーがてら観光もできることを知った。 キャンパスツアーがもうすでに終わっている大学にも、普段の大学の雰囲気を知るために足を運んでみた。 普段過ごしている京都大学病院の近くとは違い、「ザ・大学」といった雰囲気が懐かしい。京都大学も、時計台の周辺に行くとこの雰囲気が味わえるが、あまり行く機会がない。 大学によっても結構雰囲気が違う。 レンガ造りの校舎や、近代

          大学受験を思い出す

          研究者のお盆の過ごし方

          研究者にもお盆はある。 このところちょっと忙しくて自分を見失っていたので、これまでの自分のお盆の過ごし方をまとめてみた。 博士学位取得前 だいたいラボで研究。周りの人たちも結構ラボにいた。 博士学位取得後 1年目 (2013):研究員:Review論文執筆、測定 2年目 (2014):研究員:帰省 3年目 (2015):研究員:ラボで研究 4年目 (2016):研究員:休み、ラボで研究 5年目 (2017):助教:帰省、論文執筆、データ解析 6年目 (2018):助教:帰

          研究者のお盆の過ごし方

          カンブリア宮殿「食品スーパー売上No.1のライフ」を観て

          京都に住んでいると、どうしても近所のフレスコに買い物に行くことが多い。でも、周りにライフ好きがたくさんいて、確かに行ってみると食品が美味しそうだし、美味しいし、種類が豊富。 現在の社長の岩崎高治氏。商社から出向して清水氏に乞われ現社長。食品業界の業種は川の流れに例えられ、川上(原材料)、川中(卸、問屋)、川下(スーパー、外食)に分類されるようだ。ライフで働くまでに川上、川中をやっていて、川下もできることで一気通貫で物事を分かるようになるから面白そうだと考えたと述べていた。

          カンブリア宮殿「食品スーパー売上No.1のライフ」を観て

          名古屋大学に行ってきた

          2024/7/25 名古屋大学で1時間半の授業を行った。 自身の講演は夕方だったので、それまでの時間を有意義に過ごすために名古屋大学の研究者に連絡したら、あれよあれよとスケジュールを埋めてくれて、多彩な研究者たちとディスカッションすることができた。 その中でも大型機械が大好きそうで忙しそうな教授なのに、ちゃんと細部までの知識があって、研究内容も面白くて、研究成果もガンガン出ている、「こういう人になりたい」と思える研究者に出会った。 今の自分はこの人に近づけているだろうか。

          名古屋大学に行ってきた