ラボトップの独立研究者は産休・育休で研究体制が詰む
最近、同僚の研究者が出産のため産休・育休を取った。
その人も自身の研究室を運営しているのだが、産休・育休を取るにあたって、大学の制度が全然追いついていないことを目の当たりにした。
部外者の自分も話を聞いて絶句した。
まず、産休は法律で定められている休みである。
一人の人間を一人の人間から産み出すのだから、かなり身体的な負荷がかかる。身体を休める必要性は法律で守られている。
しかし、おそらくこれまで大学の教職員は出産に備えて長期間休むことが基本的になかった。教職員はほぼ男性だったというのと、研究室主宰者の教職員が育休をとっているのを見たこともなかった。
そのため、
というルールが改定されないまま現在まで残っている。
研究者は研究費を獲得し研究を行っている。
雇っている技術員さんや学生の給与などもここから出ている。
研究室のボスが休んでいるからといって、研究が止まることはない。
それぞれの研究テーマを必死に研究している。
でも、現状のルールでは、研究室のボスが休むと、研究のための予算も執行できないし、休んだボスの下で働いている人の給料も止められてしまう。
産休育休は法律で定められているのにも関わらず、研究室のボスが休むと、部下も研究できなくなる。
なんなんだ。その制度。
近年の傾向として、同じ研究室に教授がいて、准教授、助教がいるような大きい研究室は少なくなっており、一人の教職員が一つの研究室を率いているケースが多くなってきている。
その現状に追いついていない制度なのだろう。
でも、研究室を主宰するような優秀な女性研究者が周りに増えてきている。家庭を大事にする優秀な男性研究者も周りに増えてきている。
大学の古い制度は変えていく必要がある。
以下は参考文献。すごく良い文章だった。
日本ロボット学会誌はこういう啓発的な随想がかなりあるのが面白い。