研究者のプレゼンスキル
研究室を主宰するようになる直前くらいから研究発表をする機会が増えた。
今年は年に13回である。
特にこの10月の2週間には5回の講演があった。精神的にきつかった。
引き受けすぎてしまったので、来年からはもう少しセーブしたい。
自分のResearchMapを見てみると、39年の人生で87回プレゼンをしているようだ。
日本語のプレゼンはだいぶ慣れてきた。京都大学、北海道大学、東京大学、名古屋大学、慶應義塾大学で60-105分間の講義をやってきたが、そこまで苦も無くできるようになった。
ただ、何度プレゼンをこなしても、発表直前にはめちゃくちゃ緊張する。
寝つきが悪い夜もある。
プレッシャーで他の仕事や研究が進まないことに罪悪感を覚える。
自分の発表順番が近づくと、両掌が冷たくなり、脇汗をかき、鼓動が早くなる。
でも、引き受けたからにはしっかりとやらないといけない。
発表者がどんなに緊張していたり、後悔していたとしても、聴衆には全く関係ない。聴衆はただただ、いい発表を聞きたいだけだ。
だから、前に立ったら落ち着く。
ゆったりと堂々としたしぐさを心掛ける。
そのモードになるためには、準備をする。
プレゼン資料は前々日までには仕上げる。
前日からは、そのスライドで言いたいことをまとめていく。
声に出さずに頭の中でスライドをみながら、どこに視点を移動して、何を言うかをシミュレーションしていく。
ちょっと難しい資料の場合には、スライドの中に重要語句を入れて、自分が話しやすいようにしておく。
前日夜から当日朝に、数回声に出してリハーサルをしておく。
ここまでやっておくと、まあ何とかなるかな、という気分になってくる。
こういう準備をせずに臨んだ発表が何度かある。
疲れ果てていて、あまり緊張もせずにぼーーっと臨んでしまった。
自分の発表内容が頭にあまり入っておらず、棒読みのような形になった。
発表直後の後悔が半端なかった。
時間をとって聞いてもらった人たちに申し訳がなかった。
そんな後悔をしなくてすむように、せっかくの発表機会には準備をして臨みたい。