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25歳一人っ子、母ががん宣告を受けた5ヶ月後、父も癌になる。⑥【母も転移・再発かも】
題名の通りです。まだ確定ではありません。
でも、正直、すでに何もかもがしんどいです。
いつもの副題のように〜母も転移かも〜とは書けませんでした。
「〜」が呑気に横たわっているような気がして、許せなかった。
転移の可能性を聞かされたのは、今日、母と二人で夕食を食べてたとき。
「ショック受けないように先に言うね」と言って、1週間ちょっと前にした血液検査の結果を見せてきた。
抗がん剤の点滴をする前に、いつも行っている血液検査。
もう抗がん剤治療の終盤ということもあり、この前は検査項目が多かったそう。
来週行う精密検査の前段階での血液検査。
転移の可能性を確かめるためのものだったのだろう。
血液検査のLD(IFCC)とAST(GOT)の横には、母の字で「血液の病気、肝ぞう転移、悪性リンパ腫、筋肉、骨格筋」などの文字が書き足されていた。
それぞれが何の数値を表す項目なのかが分からず、「ふーん」と落ち着いたように見せかけて即検索した結果がこれ。
LDは、肝臓をはじめ、心臓、腎臓、赤血球などのからだのさまざまな細胞でつくられる酵素で、糖質をエネルギーに変える働きをしています。そのためどの臓器に障害が起こっても異常値を示します。特に肝臓や心臓の筋肉、骨格筋の組織が破壊されたときに高値を示します。
肝臓に何らかのダメージが加わって細胞が破壊されると、血液中にこのASTとALTが大量に放出されるため、血中濃度が上昇します。
なお、ALTの多くは肝臓の細胞に存在しますが、ASTは肝臓以外に筋肉や赤血球中にも存在します。
このため、ALTが正常でASTのみが上昇している場合は肝臓の機能は保たれていると考えられます。
また、ALTはASTの3~4倍長く血中にとどまるため、ALTの上昇の程度よりASTの方が高い場合は急性肝炎など肝臓の細胞に急激なダメージが生じていることが考えられます。
母が言っていたこと、母の文字が表していることが、少し分かった気がした。
母の血液検査を見ると、ALTよりASTのほうが断然高い。
しかも大腸がんを切除する前の血液検査と見比べると
LD(IFCC)の数値が175→433(基準値124〜222)
AST(GOT)の数値は16→44(基準値30)
以前は問題なかったところが明らかにダメージを受けている。
もうなんなんだろうか。
頭も心もぐっちゃぐちゃ。
母が大きい病院へ転院する前の、あの7月を思い出す。
毎日泣き崩れていた、あの7月。
そこから時間が経って、「母は大丈夫」なような気でいた自分に腹が立つ。
全然大丈夫じゃないじゃん。
母との残された時間はわずかかもしれないって、7月の私は覚悟になりきれない気持ちを持っていたはずなのに。
いつの間にかそんな気持ちも、日常の中に薄れていってた。
母とのこれまでの日々が、あまりにも順調だったから。
原発がんを切除できてても、もし、どこかに癌が転移していたら、母もステージ4になるんだろうか。
それともこれは再発なんだろうか。
再発にもステージってあるんだろうか。
ネットの海を彷徨っても、確信を持てる情報が見つけられない。
私はまた、主治医の話を直接聞くまで、海の底に沈んで溺れ続けることになるんだろうか。
母と一緒にいるときは、涙を流すこともなく、平然と過ごしてられたけど、
ひとりになった瞬間にダメだった。
子どもみたいに顔をくしゃくしゃにしてわんわん泣いた。
本当に、母も父も同じタイミングでいなくなっちゃうかもしれない。
血液検査をしたのは1週間と少し前。
母は私に言うか言わないか、ずっと考えていたんだろうか。
母の姉には言っていないと笑っていた。
すぐ泣くからと。
私だって素直に母の前でずっとそばにいてってと叫びたいよ。
どこにもいくわけないじゃない、とあやしてほしいよ。
でもそんなことしたら、母が動揺しちゃうかもしれない。
傷つくかもしれない。
心配させるに決まってる。
精密検査の結果にも、わざわざ来なくていいって母は言っていたけど、何がなんでも仕事を休んでついていく。
安心してね、母の前では泣かないから。
たとえ母が泣いても、私は泣かないから。
もう日付も超えた時間になってしまった。
まだ母の再発や転移が決まったわけじゃない。
でも検査結果は悪かった。
でもでも、また癌が見つかったからっていって、おわりなわけじゃない。また手術できるかもしれない。取り切れるかも。
もしかしたら、ただの酒の飲み過ぎかもしれないよ。肝臓の数値が悪いのは。
抗がん剤の影響かも?
母はそんなこと一言も言ってなかったじゃん。
いろんな私がああでもない、こうでもないと騒いでいる。
今日はちゃんと寝れますように。
おやすみなさい。