花が咲くのを待つ忍耐(エッセイ③)
冬の初めは受験生にとって艱難の季節だ。夏にあんなに勉強したのに成績が上がらない。入試本番まで時間がないのに模試の判定は努力圏のまま。
もうやめてしまおうか。志望校を変えたほうがいいのか。
このような悩みを抱える受験生は多い。
そもそも受験勉強に限らず、努力の結果はすぐに出るわけではない。というか、そうでないもののほうが多いのではないだろうか。
成績は一次関数のグラフのように右肩上がりで上昇するわけではない。「○○時間勉強すれば、偏差値が△上がる」や、「この参考書をやれば**高校に合格できる」といった明確な基準などない。
終わりの見えない道のりは人を不安にさせる。ただ、諦めてしまえばゴールへは辿り着けない。
努力が実を結ぶまで歩みを止めないこと。
蒔いた種がいつ芽を出し、どのくらいの速度で成長し、花を咲かせるのかは(花の種類によって特徴はあれど)それぞれなのである。
花が咲くのを待つ忍耐。
いつか花開くと信じて最後まで歩み続けること。
明暗を分けるのは、案外そういうところなのかもしれない。
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