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「でも、それだけじゃない」誰にでもある心の黒い部分とどう向き合うか〜『すずめの戸締まり』の鈴芽と環を見て思ったこと〜(エッセイ④)
*注意 この文章には一部『すずめの戸締まり』のネタバレが含まれます。 人には誰にでも心の中に黒い部分がある。それは明確な意志を持った悪意ではなく、単純な「嫌い」という感情でもない。それは、好意を抱く人や家族に対して向けられる。普段は心の奥底にしまっているが、ふとしたことをきっかけに口にしてしまい、相手を傷つけてしまう。もはや修復不可能なまでに、関係に深い影を落とすこともある。 新海誠監督作品の「すずめの戸締まり」を観て、最も印象に残ったのは主人公、岩戸鈴芽とその叔母環の関