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共鳴*渡さるる手の温もりの木の実かな

渡さるる手の温もりの木の実かな 岡田耕
 いつも子供たちは外で遊ぶことが大好きです。
秋の爽やかな公園に出かけると昨日の風の為に団栗などの木の実が沢山落ちています。何にでも興味を示す子供は、コロコロと転がっている木の実を拾い、手にしっかりと握りしめています。
それを後ろからおいかけてくる大好きなお母さんにあげました。いや、お父さんかも知れません。その木の実には手の温もりが移っていて、渡された親の宝物となりました、ほのぼのとした親子の日常の情景が目に浮かんできます。
 大人になってからも木の実のような大事な宝物を大切な人に渡す事がありそうです。手の温もりほどの温もりを渡したり、渡されたりしたいものだと、この句を読み思いました。
(山口香葉)

俳句雑誌『風友』令和四年七月号 「一句鑑賞」

(岡田 耕)



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