Photo by cicaco_tabijo 選評*右ひだり揺られて着くや余花の宿 121 岡田耕 2023年5月10日 00:00 右ひだり揺られて着くや余花の宿 岡田 耕「右ひだり揺られて着く」とはどういう事か。日光のいろは坂のようにカーブの続く山道を車で行ったのだろうか。あるいは少々の波の荒い海を渡ったと言うのだろうか。いずれにしてもいささかしんどい思いをして、やっと辿り着いたと言うのであろう。しかしその甲斐があって、着いた宿は花の季節の喧騒も引いて静かな、しかしまだ余韻の残る花の宿。咲いているのは山桜だろうか。周りの木々は新緑が萌え初め、小鳥達の囀りも賑やかな事だろう。 それにしても「余花の宿」とはまた何と優雅な言葉だろう。落ち着いた雰囲気で、心のこもった持て成しに大いに癒された事であろう、とまで思われる言葉だ。景色も思いも総て「余花」の一語に託した、つまりは季語の持つ力を全面的に信頼した一句。俳句雑誌『風友』令和四年九月号「-風紋集・緑風集選評ー風の宿」磯村光生☆句の生れたお宿は、奥湯河原温泉の山翠楼さんでした。 peanuts1950 さんの記事で紹介されています。 (岡田 耕)【スキ御礼】選評*沢百本縒りて太しや雪解川ありがとうございました。ありがとうございました。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 #私の作品紹介 107,361件 #至福の温泉 5,113件 #詩 #創作 #私の作品紹介 #俳句 #温泉 #季語 #旅館 #至福の温泉 #歳時記 #奥湯河原温泉 #山翠楼 #余花 121 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート