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「聖五月」という季語

【御礼】記事「歳時記を旅する2〔聖五月〕前*指立てて齢告ぐる子よ聖五月」にうれしいお知らせをいただきました。(末尾に掲載)



キリスト教のカトリック教会では、五月はマリアに捧げる月とされていて、特にマリアを崇敬し、祈りを捧げます。

この五月は、聖母月やマリアの月と言われますが、俳句では「聖五月」と固有の言い方をすることがあります。

歳時記では「聖五月」は、季語「五月」の傍題で、または「聖母月」の傍題で見られます。

この「聖五月」という言葉は、カトリックの俳人・平畑静塔(一九〇五~一九九七)の考案によるものだそうです。

平畑静塔の聖五月を詠み込んだ代表句に、「鳩踏む地かたくすこやか聖五月」があります。

平畑静塔は、戦後、大阪女子医専の教職にあった一九五〇年のクリスマスの日に、西宮市のトラピスト修道院で受洗しています。

聖母月の信心は三百年ほどの歴史がありますが、俳句で聖母月を「聖五月」という言い方をするのは、戦後になってからのようです。

聖母月の信仰は十八世紀に盛んになったというイタリア。マリア信仰そのものは、千年以上の歴史があるそうです。
現在のイタリアのフィレンツェの、マリア信仰にかかわる建築物や生活習慣などを、イタリアのモノづくり|ようこ さんが現地から記事で報告されています。ご紹介します。

(岡田 耕)

*主な参考文献
新堀邦司『神を讃う』新教新書 1999年
『キリスト教歳時記』中央出版社 1980年
『福音歳時記』ふらんす堂 1993年



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