水深800メートルのシューベルト|第710話
それが余計に恐ろしかった。自ら除隊を申し出るように仕向けているのではと思ったのだ。
「いえ、今後は気をつけますので……。どうか除隊だけは……、すみません」
「辞めてもいいんだぞ。特に除隊するにあたっては、これ以上ペナルティは何もない。嫌なのか? それなら覚悟しておくんだな。君の処置は、この後、他の教官と話し合って決める」
教官は、淡々とした調子で言った。そこへトリーシャが口を挟んだ。
「すみません教官。発言の許可を下さい。その話し合いというのは、訓練支援センターの司令官