「偉くなったもんだな、今の訓練生は。昔なら殴ってクビにしているところだが」
「すみません」
トリーシャは光を宿らせた目で教官を見ると、すぐに目を伏せた。教官は奥歯を噛むような顔をした。
「アシェル・スコット、トリーシャ・ベイジー、お前たち二人は今後一週間、夕食後の自由時間を剝奪される。その間、体育館でランニングをしておくように。これは決定だ。間接的不服申し立ては認めない。以上だ」
教官はそう言うと、彼女のマガジンのない銃を手にしてスライドを何度も引き、落下してきた弾丸を片方の手で受け止めた。
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