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【目印を見つけるノート】1275. 私の「文体」の先生は

この前アカボシゴマダラチョウを見たところで、アゲハチョウを見ました。
共生してくれるといいですね。チョウは最近とても元気で、今は春かと思うぐらいです。蝶にとっても、この夏がとても厳しかったということかもしれません。

きのうのnoteはテキストアプリを替えたせいか、後半いつもとトーンが違うDJになりました。
Louさんに読み上げたら、「ひとりで進行する番組だね」といわれました。相方がいた方がよかったかな🤔叩いてみて分かりましたが、DJの語りって情報量多いのですね。

あれは「文体」です。

文体、という言葉があります。小説などでよく使われます。それがどういうものなのかはっきりとしたイメージがずいぶん後までなかった気がします。例えば「です、ます調」か「である調」というのは明確に違いますが、語尾だけのことなのかな、それは文体のほんの一部ではないかと思ったり。

それを明確に示してくれたのは、清水義範さんでした。近年は旅行記や読み物エッセイが出ていますが、私が知った頃はさまざまなタイプの短編を書かれていました。抱腹絶倒のお話が多く、楽しく読んでいました。当時の好きな作家1位でした。
面白いというのももちろんですが、清水さんの真骨頂は「文体も含めたことばの実験」と「パロディ」です。
私がすぐ思い出せる範囲で、しかも記憶だけで書きますので間違いがあるかもしれませんが、いくつか。
(ちょっとイレギュラーかも)
◆『商道をゆく』
社史編纂の部署に異動になった社員が、寝具会社の社史を司馬遼太郎さん調に、しかも皮肉たっぷりに綴るお話。これが見事にパロディで、面白かった。
◆『官能の双曲線』(だったかな)
海外に滞在していて、現地で手に入れたフロッピィディスクを使って執筆を始める官能小説家。ただ、そのような場面に文章が進むと文字化けが起こってどんどんひどくなる。文字化けした官能小説が可笑しくて電車で吹き出してしまいました。一種のゲシュタルト崩壊なのでしょうか。
◆『どえりゃあ婿さ』
豊臣秀吉の義父(おねさんの父)杉原定利と近所の足軽組仲間・浅野長勝の会話で進む秀吉の出世譚。ふたりの世間話ですのであくまでものんびりした尾張弁。そもそも秀吉の出世ぶりについていけておらず、異質の話です。その「差」におかしみとかなしみがあって、『どえりゃあ』という強い言葉の顛末を思いました。
ちなみに、私が下手でも地域の言葉を使うのはここがオオモトです。

行きつけの図書館に↑の蔵書がなかったので、確認できず記憶ばかりです。何のために図書館に来たのでしたっけ🤔 図書館に本がない案件についてはまた書きましょう。

文体というとなにやら高尚な感じがしますが、清水さんの小説はそれを知るよいテキストです。
恩田陸さんが書いているものを見つけましたが、まさにその通りだと思います。

このような素敵な先生(本)がいたことには感謝、深謝しかありません。うー、リヴェンジしよう(誓う)。

話が戻りますが、DJ口調も立派な文体です。ラップ、ライムもそうかと思います(そちらは不得手で)。歌舞伎や能も文体、お経も文体です。

きのうはパロディとしてDJになったわけではなく、あの曲を紹介するのに適しているなと思ったのでしました。
誰それの文体が~というのはよく分かりませんが、自分が「これを表現したい」と思ったときに最もふさわしい言い回しができるのが理想なのかなと思います。
パロディやユーモアなどを指向するなら、「真剣に遊ぶ」気持ちがなければできないようにも思います。

それでは、今日の曲です。
R.E.M『Radio Song』

今日はDJしません(笑)。この曲が入っている『Out Of Time』というアルバムは大ヒットしましたが、それも納得の名盤だと思います。タイトルが「時代遅れ」というのはなかなかのユーモアですね。

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

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