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【目印を見つけるノート】1089. あの頃の自分が悔しがるぐらい

〈申し上げます。申し上げます。旦那さま。
あの人は、酷い〉
(太宰治『駆込み訴え』の冒頭
https://www.sakigake.jp/special/2020/meisaku-natsu/kakekomi/page_01.jsp
より引用)

朝からそのフレーズが浮かんでしまいます。
日本海やユーラシアのいくつかの国について思うと。

えーと、今日は「お客さま」の話にしましょう。
短く書けるかな。ちなみに短いというのは記事を書いていたときの感覚で13字×30行ですが、さすがにそれでは収まらないでしょう。前にも書いていますので、見た方はご笑納ください。

中学2年のときのことです。

HくんとKくんが発起人のようになって、『フォークソング同好会』を作ることになりました。Hくんは吉田拓郎さんが好きだったのでともかく、Kくんはバリバリのハードロックバンドのリーダー(ドラムスで2バス)でございました。Kくんは「重音楽同好会だな」と言っていました。

私はなぜか、その発起メンバーに最初からカウントされていました。確か、Hくんが「やるけど入る?」と聞いてきて、「もちろん、入れて‼️」というやりとりがあったのだと思います。
そして、冬休みにたぶんSくん(ベース)に声をかけられて音楽室に向かったのです(視聴覚室だったかも)。女子でギターを(下手でも)弾く人はおらんかったけんね、珍しかったのでしょう。
部屋のカーテンが厚く閉ざされていたのを思い出します。近隣の騒音苦情を避けるためですね。ありがち❤️
すでにドラムセットやアンプやらは運び込まれていました。

どうやって運んだんだろう、リヤカーかなあ🤔みんなで手持ちで運んでいるのを見たこともあったような。

さあ、音を出すぞというときに、ドアをちょっと開けて見ている女子ふたりの姿が見えました。「おお、もうファンがついてる」と思うのと同時に、ちょっといたたまれない気持ちになりました。その日私はギターを持ってきていなくて1ギャラリーだったからです。
「何あの女。私だって見たいのに」と思われているのではないかと心配になりました。
その頃は『愛してナイト』(多田かおるさんの漫画、人気ミュージシャンとお好み焼屋さん女子のラブストーリーです)が流行っていましたからね。ヒロインがファンにこの女呼ばわりで詰められるというシーンを見ているわけです。

そんなことをぼんやり考えていると、
Sくんが「ごめん、音が漏れるから閉めてくれる?」と一言。女子は扉を閉めました。

私は少しホッとしたのですが、「入って見ていきなよ」と言ってもよかったかもしれないなと思ったのでした。でも、「じゃ友達連れてきます」などの展開になったら、それはそれでやりづらい面もあったかもしれない。音合わせだったから。

それが一組めのお客さま。

DEEP PURPLEやRAINBOWがいくつか鳴らされたあと、続いてのお客さまが現れました。
さっきは後輩でしたが、今度は先輩です。今はどうか分かりませんが、当時は『3年B組金八先生』の世界でした。シリーズ2のほう。そのような感じの先輩が二人、ガラガラと扉を開けてつかつかと入ってきました。

その場のことは、小説に割とリアルに書きました。この話はフィクションですが、ディテイルは結構実話です。
先輩が音楽室に入ってきたくだりはこちら。

この小説には書いていないですけれど、
私は超ぶーたれていました。さっきとは大違い。横浜銀蝿さんはまったく悪くないのですが、大事な音合わせの時間を先輩の戯れのオケに費やすのがくやしかったのです。控えめに端から見ても、かなり仏頂面だったと思います。
喧嘩上等というか、昔ははるかにとんがっていたかもしれません。
でも、横浜銀蝿もうまかったな、彼ら。うん🤔

そんな微妙な時間があって、先輩たちもご満悦で去っていきました。そしてまだぶーたれている私にKくんが言いました。
「また、やるからさ」と機嫌を直すよう促したのです。あ、ドラム叩いているのに気がついていたんだ。それは同時に彼の率直な気持ちでもあったと思うのです。
こちらこそ、ごめん。

今だから思うのですが、
二組の『お客さま』が来たのは、
小説のネタにしたくなるぐらい、面白いことだったのです。すごい展開ではないですか? 
私も了見が狭い子どもだったわけですが、了見の狭さも面白いことだったのです。その後、みんないろいろなことを経験して生きていると思うのですが、中学2年は原点のような時間だったの、みんなそうだったと思うのです。
どんなことも面白い。
そこに音楽があったから尚更かもしれません。そして、そこに飛び込みでやってくるお客さまも貴重な登場人物でした。
豊かな時間をありがとう❤️

件の小説をこう締めました。
「あの後も本当に楽しかった。
 お腹が痛くなるまで大笑いしたり、
 悩みを打ち明けて泣いたり、
 たくさんたくさん話したね。
 みんなのこと、今も大好きだよ!
 中学時代は私の大切なたからものだよ!」
これは偽らざる私の心情でもあります。そして、たからものだからこそ、その頃の自分のように楽しんで、笑っていたいと思うのです。いや、その頃の自分が悔しがるぐらいでいたいのです。
これもロールモデルかしら🤔

さて、これから資料の読み込み😆
今日はパープルだなあ。
DEEP PURPLE『Maybe I'm Leo』

イアン・ギランは獅子座と乙女座の際のお生まれだからでしょうか。よく分かるタイトルです。
ついこの前来日されましたね。いやあ、行かなかったですけれど、当時のキッズたちが集ったのでしょう。
今聴いても、音楽として素敵なのですけれど😆
この曲もリズムの取り方とか面白いです。

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

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