【目印を見つけるノート】624. 『お城EXPO 2021』に行ってきました
きのうは横浜・パシフィコ横浜ノースで開かれている『お城EXPO2021』に行ってきました。こちらは、今日19日(日)まで開催中です。
外は寒かったです。
会場は老若男女で賑わっていました。家族連れの方も結構いらっしゃいました。ベビーカーでも余裕で回れるスペースで、いいですね。
淀君かと見紛う装束の女性にボードウォークで出くわして、思わず見とれてしまいました。赤い打掛というのでしょうか、素敵でした。
城好き、歴史好きの方は多いのだなと実感。
このイベントでは例年、著名な歴史・城郭研究家の講演会やワークショップ、セミナー、シアター上映などをやっているのですが、私はもっぱら各地の城郭を紹介している『城めぐり観光コーナー』を中心に回っています。セミナーなどは希望のテーマと行く時間が合えばいいのですけれど、なかなか自然には合いません。
ですので私が見たのは一部分なのですが、それでもたっぷり楽しんできました。
今年は愛知県、大阪府、奈良県、岡山県、広島県のエリアを集中的に見てきました。
なお、私は自分で書く「ストーリーの舞台」としてお城を見ています。歴史が好きな方が多いとは思いますが、建造物として見る方もいるでしょうし、ときの栄枯盛衰の象徴ーーロマンとして見る方もいるでしょう。もちろん、自分の慣れ親しんだ場所として好きな方も。
人それぞれの趣向がありますので、この項目については私の見方ということでご理解いただければと存じます。
⚫愛知県
愛知県は三英傑(織田信長・豊臣秀吉、徳川家康)の出身地ですので、お城のエピソードも豊富です。ただ、3人ともじきに愛知県から出てしまうので、若き日の活躍に思いを馳せるのがいいですね。
こちらのパンフレットは愛知のお城をコンパクトかつ、勘所を押さえて紹介していて、とてもいいなと思います。
例えば三英傑の読書なりゲームをしているとき、パッと参考にできますし、勉強にもなる。合間のコラムも専門的で、面白いです。
つい先頃まで、「那古野城(名古屋城の前にあった織田信長のいた城)はどんなんだったか、わからないよう😭😭😭」と煩悶しておりました。
まあ、那古野城はやっぱり分からないのですが、少なくとも分かるものは探せばたくさんあるのだなと思いました。
これからお城を書くときは心します。
えーと、次に書くのは小牧山城ですね💪
⚫大阪・奈良・兵庫
このエリアは自分でも理解が足りないので、少し分けた方が分かりやすいように思いました。簡単に時系列で記してみます。
・三好長慶の時期(河内・飯盛城)……室町時代の守護制度のもと、管領細川氏の重臣として頭角を表し、1560年頃に最も勢力を伸ばしました。その範囲は阿波・讃岐・淡路・摂津・山城・河内・和泉・大和・丹波の全域と、伊予・播磨・若狭・丹後の一部に及びました。
・筒井順慶と松永久秀の争いの時期(奈良ー大和国の主権争い)……仏門にあって大和に勢力を持っていた筒井氏と、三好氏の家臣の松永氏が争っていました。ここに織田信長や足利将軍家が絡んで複雑になるのです。これは1577年まで続きます。
・豊臣秀吉の時期(大和郡山城、大阪城)……織田信長が本能寺で亡くなった後、天下人の座を手にした豊臣秀吉が勢力を誇った頃です。大和郡山城は秀吉の弟で右腕だった秀長が任されました。大阪城はいうまでもなく、秀吉のランドマークになった城です。
今「関西」と言われる辺りから京都と近江を外した戦国期の情勢を、そのような感じで捉えて勉強しようと思っています。
⚫広島県(福山市)
ここからは自分の書いた小説に関わるお城もありますので、ちょっとだけ詳しく。
福山城のブースは目立つところにドン!とありました。
しばしばこの項でも取り上げていますが、来年が福山城の築城400年なのです。現地では福山城の耐震改修工事をはじめ多くのイベントが行われる予定です。
アニヴァーサリーイヤーのキックオフは2022年1月8、9日、ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ大ホールで開かれる『福山城400年博スタートイベント×出張!お城EXPO』とのこと、歴史好きなら知らない人はいない、小和田哲男先生も登場されます!
いよいよ始まります。
心待ちにしておりました。
きっと、初代藩主の水野勝成もぶち喜んでいるーーと想像できます😊
ご城印を今年も入手いたしました😆
さて、
今回出展の目玉は天守北側壁面に張られていた鉄板の現品です。
「壁に鉄板?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。鉄板を張るのは他にない独特な仕様なのです。
ただ、その姿の天守は空襲(1945年8月8日)で焼け落ちました。
1966年に市民や自治体の尽力で天守が再建されましたが、鉄板張りは復元しませんでした。
築城400年に合わせた改修工事ではその鉄板張りを復元させようとしています。そのような中、残っていた鉄板が発見され、製造法などの分析調査が進められているということです。それが明らかになれば、今後の工事で大いに役立つのだと想像します。
大いに期待しています。
手前味噌なのですが、さきに福山城の鉄板張りについて書いたnoteを置いておきます。私の想像も多々😅
⚫岡山のお城、小説のもうひとつの舞台
今回は福山城のブースの向かい側に岡山城と備中松山城のブースも出展されていました。突撃してみました。
岡山城も今改修中なのです。
そ、そうなのですね。NHKの朝ドラは見ているのに、きちんと存じないとは不覚です。
お話を伺いましたら、来年2022年の11月に公開されるそうです。外観はもう少し早く見られそうですよ✨
岡山城は別名を『烏城(うじょう)』といいますが、完成の暁にはこれまでより黒々と輝くのでしょう。
楽しみです。
さて、
私は福山藩の初代藩主・水野勝成の小説を書いていますが、実はその舞台の半分ぐらいは岡山県の成羽(なりわ)なのです。
勝成は30代の頃、成羽の鶴首城(かくしゅじょう)の主、三村親成(みむらちかしげ)のもとで数年、客分として世話になっていました。
私は居候かなと思っています😅
かつて三村氏の一族は備中に大きな勢力を誇っていましたが、その主城が成羽からほど近い備中松山城(岡山県高梁ーたかはしー市)だったのです。
現在、備中松山城は天守が現存し、『雲海に浮かぶ城』、『猫が城主の城』として有名です。
メモ帳を購入しました🐈
猫のお殿様はかわいいです。
そこをきっかけに、戦国時代に備中で起こった争乱と三村氏滅亡の悲劇についても、知ってもらえたらいいのになってちょっと欲張りなことを思いました。あと、やっぱり一度は訪問したいです。
備中松山城と福山城が向かい合っている様子を見たら、六左衛門、いえ、勝成さんは本当にすごく喜ぶと思います。
重畳じゃ、重畳じゃ。
居候が恩を返せたって。
それがファンタジーだとしても、
少なくとも、私は飛び上がるほど嬉しかったです。
一応置いておきます。
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さて、ずいぶん長くなりましたし、日付も超えてしまいました。
『お城EXPO』は近年毎年行くようになりましたが、だんだん自分の中で向き合いかたが変わっていくような気がしています。
はじめは、「どのお城のことも知りたい!」という、好奇心の赴くままどこの情報も手に取っていたように思います。
そのうち、自分の興味の方向がくっきりしてくるにつれ、別の方向を集中的に見に行ったりもします。絞ってはいけないように思ったのでしょうか。
今年は特に広げも狭めもせずフラットでしたが、絞ったと思う割に情報は大量でした(苦笑)。あれ?
そうですね🤔
書く前提になっている度合いが増したのかもしれません。
さて、歴史やお城の曲が思い浮かびませんでしたので、月にちなんだ曲を。ほぼ満月、今がいい塩梅ではないでしょうか。
Carly Simon『Moonlight Serenade』
それでは、おやすみなさい。
尾方佐羽
追伸 今日はもう1つ、横浜の話を出す予定です。