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“白い”ねこのーと

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喧嘩と論理の深淵。その冒険記。
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2018年11月の記事一覧

page.6 暗黙の了解

Aの信号無視による衝突事故について,警察にでもなんでも良いのだが,Aが事故原因を問われたとしよう。

Aはこのとき,「スマホに夢中で前をよく見ていなかった」と応えることはあっても,「被衝突車がそのとき件の交差点に物理的に存在しやがったから」などとは応えないのが普通の感覚ではないだろうか。我々は,前者を相当な理由として,後者には,「反省してない自分勝手な奴だ」「面の皮が厚い奴だ」などといった感想を

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page.5 論拠と論述

対立する主張があれば喧嘩は成立するが,それだけでは,[論理体系の共同化運動]であるはずの喧嘩は鬱滞して深まらない。喧嘩や論争,議論を深めるためには,“論拠”と“論述”が必要となる。

命題Pに割り当てる真理値の相違によって生起する───すなわち,トピックは“Pか否か”である───次のような喧嘩を考える。

A「Pは真だ」
B「Pは偽だ」(¬Pだ)

このような喧嘩が,ここで止まってしまってはナン

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page.4 トピック

喧嘩には必ずトピックが1つだけ存在する。トピックにはなんらかの命題が対応しており,アバターは,この命題の真理値を相違することによって対立するのである。

たとえば,[死刑制度は廃止すべきか否か]というトピックは次のように解釈できる。すなわち,[死刑制度は廃止すべきである]という命題について,その真理値(普通は“真”か“偽”の二値を排反的に持つ)を争うのである。実は同じことだが,次のような表現も出

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page.3 概念関数

ある概念 nx∈N の“意味”は,その概念の存する概念集合 N から真理値集合 T への関数として定義できる。また,その関数空間は当該概念集合の論理的関係を網羅する。

一般に,概念集合 N={n1,n2,...,nm} について各要素の意味を,それぞれNから T={⊤,⊥} への関数として定義する。

たとえば概念 n1∈N の関数による理解は, N={n1,n2,...,nm} の要素を一つ

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page.2 アバター理論

先のページで少し触れたが,喧嘩の実態について,その“当事者たち”になんらかの共同体意識を認めるような立場を〈共同化原理〉と呼ぶのだった。

この原理を考えることによって,個別に論理体系を持つはずの個人が,なぜしばしば喧嘩や論争を起こすのかを説明することができる。また,いわゆる自然発生的な喧嘩,意図的に行わないような喧嘩と,特にネットなどでしばしば行われる喧嘩凸や,嗜好としての論争について,それらの

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page.1 共同化原理

本書は既に,喧嘩というものを以下のように定義した。

喧嘩:トピックに対し,ある論理体系間で,その真偽や成否を論理を以て争うもの。また,その態様。

このページでは,上掲の定義について,「なぜ,プレイヤーらはそのようにして命題の真偽を争うのか」を記すことで,一層深いところに言及する。

このことには,喧嘩の正体を次のように捉えることで答えることができる。すなわち,コミュニティが内在的に持つ画一化

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凡例

凡例

1 ボールドは,強調したい箇所に使用する。
2 補足は基本的に()を用いる。
3 文章上読み飛ばした方が簡潔に意味が理解出来るかもしれないような敷衍は,基本的に──○○──といった表現を使用する。読み方は読者各位の裁量に任せたい。
4 本書における特段の重要概念は〈〉に括って表現することがある。
5 真理値は,{1,0},{真,偽},{⊤,⊥},{T,F},{t,f}など便宜に合わせてさ

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