page.4 トピック
喧嘩には必ずトピックが1つだけ存在する。トピックにはなんらかの命題が対応しており,アバターは,この命題の真理値を相違することによって対立するのである。
たとえば,[死刑制度は廃止すべきか否か]というトピックは次のように解釈できる。すなわち,[死刑制度は廃止すべきである]という命題について,その真理値(普通は“真”か“偽”の二値を排反的に持つ)を争うのである。実は同じことだが,次のような表現も出来る。すなわち,[死刑制度は廃止すべきでない]という命題について,その真理値を争うのである。先の表現とは真偽に対応するアバターは逆になるが,繰り返すように実態は同じである。本質は,喧嘩には必ずトピックが存在し,そのトピックにはなんらかの命題が対応しており,アバターはその命題の真理値を論争するということである。
真理値がアバター間で一致している命題は,トピックになり得ない。
アバターそれぞれの“主張”を次のように定義できる。すなわち,トピックに対して,その肯定と否定の形をした命題である。
先の例えを再び用いると…
トピック[死刑制度は廃止すべきか否か]に対して,肯定派アバターの主張は[死刑制度は廃止すべきである]となり,否定派アバターの主張は[死刑制度は廃止すべきでない]…となる。