沼野 貝三

とある知的障害者入所施設の施設長を日々楽しんでいます。 この仕事の楽しさ面白さをお伝えできて、この業界に人が溢れられたら・・・と願っています。すこしでもお楽しみいただけたり、だれかのお役に立てたりできれば嬉しいです! 好きなもの:坂本龍馬・富士山・ラーメン

沼野 貝三

とある知的障害者入所施設の施設長を日々楽しんでいます。 この仕事の楽しさ面白さをお伝えできて、この業界に人が溢れられたら・・・と願っています。すこしでもお楽しみいただけたり、だれかのお役に立てたりできれば嬉しいです! 好きなもの:坂本龍馬・富士山・ラーメン

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人生で大切なことは、知的障害者福祉が教えてくれた!

はじめまして、沼野 貝三(ぬまの かいさん)と申します。  20年ほど前に何気なく知的障害者施設に転職して、現在とある入所施設で施設長をしております。 この20年近くを振り返れば、良いことも楽しいことも、思い出したくないことも腹立ったことも、ホントいろんな出来事がありました。でも、この仕事選んで良かった!今はこころからそう感じています。知的障害に限らず福祉業界全体で、様々な問題や課題があります。その一つは、離職・人材不足があります。僕自身は、この仕事楽しいし面白いし、もっと

    • つかう言葉・態度で人生変わる!

      この仕事をはじめた頃は、現在の障害者総合支援法なんてありませんでした。根拠となる法律もほとんど無く、ある程度自由度が高かったように記憶しています。今は法律にある通り、我々の業務の中心は障害者を支援することで、現場の方たちは支援員と言っています。当時は、入所施設は更生施設と言われ、障害者サービスは教育・訓練の要素が強く、指導員と呼ばれていました。親御さんからは、たまに○○先生と呼ばれたりして、学校の先生を夢見て挫折した私としては、ちょっと夢が叶った気がしてました(笑)お調子者の

      • 相手を知ることから始める!

        入所施設で働き始めたころからしばらくの間、そこにいた利用者の多くの行動は、私にとっては意味不明でした。いきなりお尻に浣腸してくる女性のダウン症の利用者。電車を見かけると、1時間以上見続けないといられない、バスに乗ると終点まで絶対に降りない男性の自閉症の利用者。道を歩くと、マンホールをすべて踏まないと歩けない男性の自閉症の利用者。短期利用者で利用するたびに物を壊したりガラスに突入したりして、途中で利用停止となり、そのことを私も含めて悪口にしてブログに投稿する軽度の女性の利用者。

        • 出来事には、すべて意味がある!

          先月から○○○で働いて9年目になります。8月でこの業界19年目になりました。この業界で働き始めた頃は、まだ30代で額も狭く、白髪もそんなにありませんでした(笑)まわりの人に言わせると、わたしがまさかの福祉?そう思われていたようです。そんな中何の知識も技術もないところから、よく19年続いたもんだと思います。 これまでを振り返ると色んなことがありましたね。これまでここで紹介させてもらったように、他害が激しい利用者に、毎日髪の毛引っ張られ、爪を立てられ流血していたこと。入浴で2時

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        人生で大切なことは、知的障害者福祉が教えてくれた!

          固定観念は悪。先入観は罪!

          これでも以前は、よく勉強しました!自閉症とは何ぞや?ダウン症の基本的支援の仕方は?TEACCHとかなんたら療法とか・・・結構高名な先生の話聞きに行ったり、先進的な取り組みをしている有名な施設に行ったりしました。お金も時間も使ったものです。研修の場でよく話していますが、どんな高名な先生の話しを聞いたり、先駆的な取り組みを見たりしただけでは、学んだとは言えません。よくて知った・分かったのレベルです。実践の場で使えてアウトプットできて、初めて学んだと言えるのです。そう言ってるからに

          固定観念は悪。先入観は罪!

          出来ない・知らないは、恥じゃない!

          記憶と計算が正しければ、この8月で障害者福祉の仕事を始めて19年目になります。まぁよく続いたものだと、自分を褒めたいと思います。ちなみに△△△は今月末でで丸8年を終えます。来月から9年生(中3)です(笑) 最初は、街の小さな作業所で5.6人の利用者さんと4.5人の職員とでお弁当を作って、配達して洗い物してました。知的だけでなく、身体・精神と3障害揃ってましたが、ある程度会話の成り立つ人もいて、そんなに重度の利用者はいませんでした。事故なんて起こりませんし、行動障害もありませ

          出来ない・知らないは、恥じゃない!

          残せるのは、思い出だけ!

          障害者福祉で働き始めて19年目。○○○は、3つ目の施設です。これまで出会った利用者は4・500人くらいでしょうか。出会いがあれば別れもあります。ほとんどの別れは施設を移った(転職)ことが大きな理由になります。その次をあげると、一生のお別れです。○○○では、4名の方をお見送りしましたが、それ以前も含めると10数名です。 さて、現在△△さんが入院されています。今日現在、次の転院先が決まり手続きを進めている状況です。隠し事をしてもいずれ分かることですので、この書面で報告いたします

          残せるのは、思い出だけ!

          楽しい仕事はない。楽しめる仕事はある!

          ほとんどのみなさんとは世代が違うので、理解できないかもしれません。学生時代は、教室でも部活でも体罰は普通でした。先輩後輩も、けっこうきつかったです。社会人になっても、さすがに体罰は無いものの、上下関係や指導は厳しかったです。怒鳴る、つくえ蹴飛ばすとか何度か目撃しています。いまなら確実にパワハラで訴えられます!ちなみに先輩になったわたしはどうなったか?さすがに怒鳴ったりつくえ蹴飛ばしたりすることはありませんでしたが、結構厳しい先輩だったようです。。。去年当時の後輩に嫌われてた先

          楽しい仕事はない。楽しめる仕事はある!

          支援するとは、支援されること!

          今は、世界中どこも本当に大変な状況です。我々は、まだほぼ通常通りに運営できていますから、4月○○○の事業収入は、昨年とほぼ同額です。この期間自宅勤務をお願いし、保育園や学校の休業に伴い、残念ながら就業不可能な方もいらっしゃいました。しかし△△ではもれなく全員に、先日決められた通りの給料が振り込まれましたね。ありがたいことだと思います。 世の中をよく見渡してみると、居酒屋や百貨店など所謂お店は、休業したり時短営業したりしています。恐らくウーバーイーツが頑張っても弁当を販売して

          支援するとは、支援されること!

          強い組織は、全員参加!

          現場で支援している際には、みなさんと同じように担当利用者が2~3名割り当てられていました。主な仕事としても大差なく、家族との調整であったり居室や衣類の管理であったりと言ったところです。若干違うのは、当時はサビ管の制度が無く、各担当が個別支援計画を作成していました。良い悪いは別として、例えば1年目の職員などの特に経験もない人も計画を立てていました。前の施設にいた最後の頃は、全員がほぼ今の△△△の個別支援計画方式=ICF~ブレイクダウン~計画~支援プログラムまで策定し実行していま

          強い組織は、全員参加!

          困難は、未来からのプレゼント!

          サラリーマン時代は、楽してお金が欲しい。面倒な事は人任せ。思い通りにすべて進んで欲しい。難しいことは、目を背ける。そんなことばっかり考えたりやったりしてました。そう思っていても、楽してお金も稼げないし、面倒な事もなくなりませんし、思い通りにいかないことばかりでした。福祉の仕事を始めてからも同じように考え、お給料もこの業界ですから、そんなには稼げませんし、仕事も楽にはなりません。結果思い通りにいかないばかりか、逃げても誰かに助けてもらっても、次から次へと困難なことが降りかかって

          困難は、未来からのプレゼント!

          悪者は、存在しない

          これまでの障害者福祉の経験の中で触れ合った人は、入所施設が多いので重度で行動障害の人達が圧倒的に多かったように思います。今でこそそうした人たちの支援には、障害者理解や知識・技術は持っていると一応自負はしています。しかし、最初の頃はそういったものを持ち合わせていなくて、上手くいかないことばかりでした。 その当時、上手くいかないとどうしたか?知識・技術も持っていない専門職とは胸張って言える状態にも無いにもかかわらずどうしたか?答えは…悪者探しをしていました。こともあろうことか、

          悪者は、存在しない

          みたいものしかみえない

           これまで18年位知的障害者福祉の仕事をしてきました。正確には分かりませんが、300人以上の障害者の方たちと出会ってきました。いろんな人がいました。どうしてこんなことするんだろう?どうしてそこが気になるの?そう思うことが良くあります。ほとんどが自閉症の人ですが…  例えば、散歩に行くと必ずマンホールを踏まなければいけない人。どうしてマンホールに合わせて、くねくねと歩くんでしょう。サントリーのウーロン茶が大好きなOさん、数百メートル先でも、青いサントリーの自販機を見つけると、

          みたいものしかみえない

          ひとは、ひとでしか磨かれない!

           これまでの障害者福祉の経験で出会った障害者は、ざっくり300人くらいだと思います。当然その人たちに家族がいて、共に働いた職員も300人以上はいると思います。他の事業所の職員や行政・特別支援学校の人などすべてをひっくるめるとこの業界で出会った人は、1,000人を優に超えているでしょう。  利用者だけでも、様々な人がいました。見て見て症候群で、人を押したり浣腸したりしてくるダウン症、とにかく他害ばかりの運動精神発達遅滞の人、言葉でのコミュニケーションは可能だけど、5メートル移

          ひとは、ひとでしか磨かれない!

          しあわせは、なるものじゃなくて、気付くもの!

           正直に言うと、この仕事を始めたばかりの頃は、障害のある人は僕たちより出来ることが少ないし、僕たちがそれを助けてあげているんだという、滅茶苦茶上から目線でいました。そればかりか、最初に勤めた作業所は、知的だだけでなく、精神障害の人もいて、その人たちは怠けてるだけだとも思っていました。  そんなある日、新しい利用者が入り、その方を迎えに出かけました。住宅街にある和風の立派なお宅です。そこから出てきたのは、今の私くらいの年齢の脳性麻痺の男性で、奥から挨拶された奥様も、脳性麻痺の

          しあわせは、なるものじゃなくて、気付くもの!

          自信をつけるには 、自分との約束を守る!

           今は、個別支援計画はサビ管が作成しなくちゃいけませんが、10年前くらいはサビ管なんて制度もなく現場の職員が作成していました。当時の計画の3大目標は、①安定した生活②問題行動の改善③健康の維持でした。細かな計画にこそ差はあれど、ほぼ全員が同じ目標です。でもって、半期ごとに総括するわけですが、問題や出来ないことに着目した目標だったので、出来ていない!やってない!ってことになります。1年経って来年の計画はどうしよう?出来ていない・やっていないですから、また前年を踏襲したコピペ計画

          自信をつけるには 、自分との約束を守る!