楽しい仕事はない。楽しめる仕事はある!
ほとんどのみなさんとは世代が違うので、理解できないかもしれません。学生時代は、教室でも部活でも体罰は普通でした。先輩後輩も、けっこうきつかったです。社会人になっても、さすがに体罰は無いものの、上下関係や指導は厳しかったです。怒鳴る、つくえ蹴飛ばすとか何度か目撃しています。いまなら確実にパワハラで訴えられます!ちなみに先輩になったわたしはどうなったか?さすがに怒鳴ったりつくえ蹴飛ばしたりすることはありませんでしたが、結構厳しい先輩だったようです。。。去年当時の後輩に嫌われてた先輩№2だったと告白されました。。。いまでは、みなさん想像できませんよね(笑)
そんな状態だったので、当時仕事と言えば?と聞かれたら、きっと『苦役』=『苦しいことに耐えること』と答えていたでしょう。楽しいとか楽しむとか、そんなことまったく考えていませんでした。とりあえず生活のため、お金のため、ちょっと嫌なことあっても苦役と思って我慢して、ただただ漠然と働くよりほかありませんでした。ひょっとしたら、わたし達より前の世代はみんなそうだったかもしれません。遠い昔からそれが日本人の美学みたいなところもありましたから・・・
そんな状態は、障害者福祉の仕事をしてからも続きました。強度行動障害の利用者から髪の毛引っ張られ、メガネ壊され、入浴で2時間付き合わされ、24時間殆どをトイレで過ごされ・・・それでも仕事は苦役だからと受け止めていました。そんな考えのまま20年近く続けていくと、さすがに勤続疲労を起こします。苦役だと我慢することができなくなってきます。それが積もり積もって、他人や環境に責任を押し付け、それらの批判・不平不満・愚痴を繰り返すようになりました。元来仕事は楽しいものではないと思っていましたが、本当に楽しくないものになってしまいました。
それは違うと気付かせてくれたのも、強度行動障害の利用者さんでした。他害・自傷などの問題行動も、こちらの関わり次第で無くなっていきました。それを繰り返すうちに、あら不思議!仕事が楽しくなっていきました。わたしが○○○に来てから入所したTさん・Kさん・Iさん・Nさん・Fさん、来月入所するWさん、みんな行動障害がある利用者さんばかりです。その理由は、入所施設の存在価値としての役割もありますし、○○○なら成長を促すことができると確信していますし、私と同様に利用者の成長によって、この仕事の楽しさを感じて、好きになってもらいたいと願っているからです。今後も困難ケースを受け入れるでしょう。覚悟が必要ですが、必ずみなさんも成長できますよ!
わたしには理解できない趣味があります。山登り・釣り・ゴルフ・・・なぜ苦しいのに険しい山を登るんでしょうか?なぜ釣れるか分からないのに、じっと釣り糸たらすのでしょう?どこに飛ぶか分からないのに、なぜクラブ振り回してるんでしょう?まったく理解できませんが、それをやる人はきっと楽しいから趣味にして、休日に朝早くから出掛けるのでしょう。
仕事も同じだと思いませんか。最初っから楽しいだけの仕事なんてありません。優しい先輩がいれば、環境が良ければ、楽しいなんてこともありません。そもそも誰がやっても、楽しい仕事・職場なんて存在しません。他人や環境に依存していても、何にも良いことありません。趣味のように上手くいかなくても、苦しんでも、それ自体を楽しめる人だけにしか、仕事を楽しいと感じることは出来ないのかもしれません。
何を仕事にするのか?どこで仕事するのか?誰と仕事するのか?そんなの関係ないのかもしれません。楽しめる人は、どんな環境であっても苦しくても上手くいかなくても楽しめます。ついでに付け加えると、『楽』な仕事も、絶対に存在しません。楽しようとすると後で苦しみます。仕事を楽しめるのは、他人や環境ではなく、すべて自分次第なんだと思います!
2020.6 しせつちょうだよりより
だれかの気づき・きっかけになりますように!
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