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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2020年10月の記事一覧

ウイリアム・バシンスキー インタヴュー

2010年に行なったウイリアム・バシンスキーのインタヴュー。 もともとは某雑誌に掲載の予定だったが、結局それは発行されずに終わってしまったため、お蔵入りの憂き目にあっていた。 ——まず、今回の公演でアントニーと共演することになった経緯を教えて下さい。 アントニーは古くからの友人で、90年代初頭にニューヨークでアントニーがやっていたブラック・リップスのカルトなパフォーマンスをピラミッドクラブに見に行ったのが最初かな。93、4年ころ、彼は実験演劇をやっていたんだ。そこで僕は驚

78rpmはともだち #4 ~78rpmを買ってみる~

1948年にLPが登場する以前の音楽鑑賞ソフト(音盤)である78rpmについて綴るこのテキスト。 一応最終号ということで、「では、実際78rpmをどうやって手に入れるか?」編をお届けする。 普段使い=1枚1,000円以下#3で「普段使い」という言葉を何回か使った。 78rpmそのものは、今から60年以上前に生産が終了しているので、その点では「古道具」、価値があるものなら「骨董」に分類される。 そんな78rpmを普段使いするということで、まず前提におきたいのは、「安く手に入れ

「ゴジラ」を生んだ音響と音楽/伊福部昭・三縄一郎・下永尚

日本特撮映画の原点、ゴジラ。  もはや説明不要、水爆実験の放射能によって怪物化した古代生物の生き残り。都市を蹂躙し、口から吐く白い炎は街を炎上させ、歩いた後には瓦礫の山しか残らない。登場から60年以上経過した現在でも人気を保ち続けている、まさに怪獣の王である。第1作目「ゴジラ」は昭和29年に公開。後に黒澤映画の第二班監督も務める本多猪四郎の戦災の記憶を基調とした手堅い本編演出と、この世には存在しない怪物を重量感たっぷりに視覚化してみせた円谷英二率いるチームによる特殊技術は、

第三回 「coldrainTV」という最高の企画について

2020年10月18日 普通だったら彼らは横浜アリーナのステージに立つ予定だった彼らですが、今のこの状況下で完全なライブはできないため、断腸の思いで中止。 その代わりとしてこの企画が行われたのがこの「coldrainTV」です。   皆様御覧になられたでしょうか? 配信時間3時間て⋯と思いましたが、案の定あっという間でしたw てか、端から3時間に収める気無かったっすからねメンバーたちw まぁ上の画像に書いてある通りライブ、メンバーの一人ロケ、そして空耳企画と盛りだくさんな

「コロナは、アーティストにとって真価を問われた時期」アルバムMリリース記念JASMINE × JAZEE MINOR特別インタビュー

R&BシンガーのJASMINEが、8月22日、人気ヒップホップアーティストのJAZEE MINORとコラボし、アルバム『M』をリリースした。 この曲は、JASMINEが所属事務所を離れJAZEE MINORらとコラボしてリリースした新生JASMINEのデビュー曲とも言える作品だ。 人気ヒップホップアーティストと、JASMINEはいかにして出会い、この楽曲を完成させるに至ったのか。   「コロナが創作意欲を掻き立てた」というJASMINEの本音に迫ったインタビューをご覧いた

The Notorious B.I.G.をサンプリング! T.I. feat. Rahky - Hypno (2020) 元ネタあり

レーベル  : EMPIRE & Grand Hustle Records リリース日 : 2020年10月16日 名前    : T.I. feat. Rahky 年齢    : T.I. 40歳 Rahky 不明 出身地   : T.I. ジョージア州アトランタ Rahky 不明 T.I. feat. Rahky - Hypno (2020) アトランタのベテランラッパーT.I.が約2年振りとなりる11枚目のアルバム「The L.I.B.R.A.」をリリース。全2

村上春樹さんにスタン・ゲッツとジャズの話を聞きました〜Talkin' about Stan Getz #3〜

今回は番外編、10月7日発売の『文學界』11月号の特集「JAZZ×文学」と、その巻頭記事「村上春樹さんにスタン・ゲッツとジャズについて聞く」(聞き手:村井康司)のことを書きます。  文芸誌初のジャズ大特集!おそらく文芸誌としては初の本格的ジャズ特集を組んだ「文學界」、145ページというボリュームでジャズと文学をめぐるさまざまな話題が満載されています。 内容の概略はこんな感じです。 【総力特集 JAZZ×文学】 文学界のジャズ・キャッツが集結、音楽の謎と魅力へいざなう完全

藤井風対Vaundy論争をどうにかしたい

皆さんはスティーブンジェラードとフランクランパードというサッカー選手をご存知だろうか? 2000年代から10年代初頭までのイングランドサッカーを代表するミッドフィルダーであり、両者ともに強烈なミドルシュートを武器にしており、リバプールとチェルシーというビッグクラブの顔として活躍した。 そんな多くの共通点を持つ二人は、常に比較されるという宿命を持っていた。そしてイングランド代表で共にプレーすると、似た性質が災いとなったのか、びっくりするくらいプレーが噛み合わなかった。共存が

ファンク最高峰ベーシスト、ロッコさんを思ふ。

先日亡くなったというニュースが入ってきました。 本当に自分の中で沸き立つファンク魂は このロッコさん無くしてはありません。このフィーリング、ミュートテクニック、音をタンギング具合から なにからなにまで非常に勉強になったベーシストです。 音楽の専門学校時代にかなり聴き込んだTOP。 衝撃の音源の連続で、ブラスファンクの虜になっておりました。 数々の名作を残しております!衝撃です。 沢山コピーもしてきましたが、いい曲が沢山です。その中でもロッコの このプクプクベースが癖

〈CLASSICALお茶の間ヴューイング〉「コンポージアム2020 featuringトーマス・アデス (Thomas Adès)」プレヴュー【2020.4 145】

■この記事は… 2020年4月20日発刊のintoxicate 145〈お茶の間ヴューイング〉に掲載された、「コンポージアム2020 featuringトーマス・アデス」のプレビュー記事です。 intoxicate 145 Photo by Brian Voce いよいよ全貌を現わす「ブリテンの再来」~トーマス・アデスの音楽とは? text:林田直樹  1998年のある日、音楽学者の岡部真一郎さんから、「どうしても会って欲しい、英国の天才作曲家がいる」と連絡をもらっ

必要がないと思うしかなかった”特別な”日常

これが当たり前なんだと思い込んでいた。家から出る前に箱からマスクを取ること、こまめに手をアルコールで消毒すること、くしゃみをしそうになったら誰かが周りにいないかを確認してちょっと厚めに折ったハンカチでマスクを覆うこと、その後周りからどんな目で見られているのかが怖くなって、前を向けずに下を向くこと。 いつの間にか当たり前になった日常にちゃんと順応していた。これはきっと良いことだ。歯向かうこともなく、ただ目の前で起きていることへの”対策”を自分なりに行って、自分一人で生きている

【完全無料講座】AbletonLiveで電子音楽を作る⑤~コードの使い方~

1.はじめに本講座も第5回目を迎えました。少しずつですが、曲の輪郭が見えてきたでしょうか? 前回はベースライン、今回は「コードの使い方」です。 第1回で、本講座の「7つの条件」なるものを説明しました。 その中に「コード進行の排除」というのがありました。 本講座では、コード進行を使わない簡単なコードの組み立て方を説明していきます。 2.ドリアンモードにおけるコードの考え方前回のベースラインと同じで、あまり説明することはありません。 前回から頻出のキーワードが出ますよ

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スペースシャワーTVプロモーションビデオ制作

【完全無料講座】AbletonLiveで電子音楽を作る④~ベースラインの構築~

1.はじめに前回は、「Beatの作成方法」について学びました。 第4回目は、モードという概念を使いベースラインを作ることを学びます。 具体的にはDドリアンモードを使い、通常の調性音楽とは違うベースラインを作れるようになります。 本講座は、「とにかく1曲作る」事がテーマなので小難しい理論の話をしませんが、簡単な譜例が登場します。楽譜が全く読めない超初心者の方には少し厳しい内容になりますので、次のサイトで基本的な事項は学習してください。 モードについて詳しく勉強したい方は