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村上春樹さんにスタン・ゲッツとジャズの話を聞きました〜Talkin' about Stan Getz #3〜
今回は番外編、10月7日発売の『文學界』11月号の特集「JAZZ×文学」と、その巻頭記事「村上春樹さんにスタン・ゲッツとジャズについて聞く」(聞き手:村井康司)のことを書きます。
文芸誌初のジャズ大特集!
おそらく文芸誌としては初の本格的ジャズ特集を組んだ「文學界」、145ページというボリュームでジャズと文学をめぐるさまざまな話題が満載されています。
内容の概略はこんな感じです。
【総力特集 JAZZ×文学】
文学界のジャズ・キャッツが集結、音楽の謎と魅力へいざなう完全保存版!
村上春樹さんにスタン・ゲッツとジャズについて聞く(聞き手・村井康司)
〈創作〉
筒井康隆「ダンシングオールナイト」
山中千尋「フェイシング・ユー」
〈対談〉
山下洋輔×菊地成孔「二つの文化圏のはざまで」
奥泉光×平野啓一郎「小説家はマイルスに学べ? 」
岸政彦×山中千尋「『ジャズを演奏する』という謎」
〈評論〉岸政彦「方法の共同体」/柳樂光隆「ジャズに言葉は不要なのか? 」
ジャズ喫茶店主が選ぶこの一枚と一冊
〈ブックガイド〉「ジャズを読む 小説篇/評論・ノンフィクション篇」大谷能生選・文
〈エッセイ〉「ジャズと私」+極私的3枚 山田詠美/中原昌也/宮内悠介/木村紅美/大和田俊之/保坂和志/山本精一/佐々木敦/千葉雅也
602曲入り、気合い入りまくりのプレイリスト
そしてこれは、編集長自らが作成したジャズ特集プレイリスト。602曲も入っています! 気合い入りすぎ(笑)。
私は「文學界」2019年12月号に「村上春樹とジャズをめぐる3章」という文章を寄稿したご縁で、ジャズ特集について相談を受け、いくつか企画を提案させていただきました。
そして、村上春樹さんへのインタビューと、山下洋輔さん菊地成孔さん対談の司会・構成という大役をおおせつかり(それも2日連続で!)、ひゃーこれはたいへんだー、と汗をかきつつなんとか終了したのですが、今思えば、あれは至福の二日間でした。その楽しさを読んでくださった方が共有していただけるとうれしいです。
村上春樹さんとの会話
村上さんへのインタビューについては、「文學界」をお読みください!としか言えませんが、とにかくジャズとレコード(アナログ・ディスク)が本当にお好きなんだなあ、と話をしていて何度も思いました。
都内某所に軽装でいらっしゃった村上さん、2時間以上ジャズの話をし続けてくれて、3段組19ページに入りきらなかった話題もいろいろありました。
話のとっかかりは2019年に刊行された『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』(ドナルド・L・マギン著 村上春樹訳 新潮社)で、まずはスタン・ゲッツについてのお話をたっぷりと。
その後、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィスなどに話は移り、意外なミュージシャンもコレクションしているということも分かったりして、最終的には「ジャズ・ファンのジャズ話」になってしまったような気もします。
そして、新しい短篇集『一人称単数』に収録されている「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」のことも、ちょっとだけ話題になっています。
編集長作成のプレイリストはあまりに多い、という方のために、村上春樹さんインタビューで言及された曲を控えめに集めたプレイリストも用意いたしました。
最後にお知らせです。「文學界」11月号「JAZZ☓文学」に寄稿した3人の音楽評論家が、「ジャズと文学」を語るトークイベント。10月10日(土)午後3時30分より、東京四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で開催します。当日は「文學界」11月号の販売もいたします。
出演者は後藤雅洋、柳樂光隆、村井康司です。詳細はこちらを。
後日、このトークの模様はnoteの「いーぐるオンラインセッション」で配信の予定です。こちらもチェックしてみてください。