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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2020年5月の記事一覧

ジョナサン・ストックハマー(アンサンブル・モデルン コンダクター)インタヴュー

『musée』Vol.47(2004年1月)  フランクフルトを拠点に活動するアンサンブル・モデルンは、これまでにジョン・ケージ、スティーヴ・ライヒ、さらにはコンロン・ナンカロウといった現代音楽作曲家の作品を演奏するだけではなく、ハイナー・ゲッベルスやフレッド・フリスといった音楽家との意欲的なコラボレーションを行なっている。そのなかでもフランク・ザッパによる『ザ・イエロー・シャーク』(一九九二)は最も知られたものだろう。  先頃リリースされた『グレッガリー・ペッカリー』は、

【音楽変遷/開拓‐個人的なオススメ】blink-182

こんにちは。KATAEと申します。 まず、こちらに訪れていただいた皆様にお礼を。 数ある投稿の中から訪れてくださり、ありがとうございます。 ご覧になってくださった方に、少しでも感じるものや繋がることがあれば嬉しいです。 このタイトルでは、私が音楽を掘り下げてきた過程の紹介や日常的に新たに知った・見つけたオススメのミュージシャンや楽曲などを紹介していこうと思います!皆様の参考になれば幸いです! ・本日のイチ押し:blink-182 本日オススメするのは「blink-1

通称:シンセ1台コンピこと「V.A. - Oscillator (One Synthesizer Compilation)」 from Muzigen Muzic

Release date:2020-04-21 All the musics on this album are made with just one synthesizer. Art designed by Emrecan Cubukc. 各種ストリーミングサービスでも聴けるようになりました。 Muzigen Muzicはアンダーグラウンドミュージック専門の国内のレーベルです。 以前どういうきっかけかだったかは失念したのですが(たまたまタイムラインに流れてきたと

レコード10選リレー☆ルークトゥンタイランド:ゴット・チャクラパン

イギリス発祥という自分の音楽観を決定付けたレコード10選リレー9枚目。遂にというか、やっとタイの音楽です。ここで紹介する以外にもLosoとかクリスティナーとかいるのですが、残りも少ないのでコチラを。 ルークトゥン・タイランド:ゴット・チャクラパン ลูกทุ่งไมยแลนด์ / ก๊อท จักรพันธ์ ルークトゥンタイランド1  わたしのブログやYoutubeを見た方なら、おや?と思われるでしょう。そう、わたしの各サイトの名前はこのアルバムから拝借しま

クラブで踊れない生活 #3 ―EUREKA(Negative Cloud)

COVID-19の感染拡大によってクラブで遊べなくなった日々の記録を試みる連載。「クラブで踊れない生活」をテーマとし、自由に話してもらう。今回はKnock Koenjiでのパーティー『Negative Cloud』をPicoと共に主宰し、同名のDJユニットとしても活動するEUREKAへのインタビュー。 ■ 週末の過ごし方 koharu:大学はオンライン授業になった? 週末はパーティーに行けないし、生活が結構変わったよね。 EUREKA:完全にオンラインになって便利です。生

HIPHOPライター渡辺志保さん〜ヒップホップナレッジ博識なインテリ才媛〜

 こんにちは。たかねです😃今日は私が大好きかつ、尊敬している渡辺志保さんと言う方について紹介したいと思います。  HIPHOP好きのみなさんは「渡辺志保さん」と言う名前を聞いたことある人も多いはずですが、まず簡単にプロフィールを紹介します。(下引用参照) 音楽ライター。1984年、広島市出身。立教大学文学部英米文学科卒業。主にヒップホップ関連の文筆や歌詞対訳に携わる。これまでにストリートファッション誌『WOOFIN'』にて「渡辺志保のAS RAW AS HIPHOP」連載

音楽モノのライブ配信でのスイッチングの“正解”ってなんだろうか?

以下のnoteでも触れたりしたんですが、ライブ配信が増えてきたなかで、ファンとしていろんなライブ配信を観ていて、映像がイマイチでモヤモヤしていることが非常に多いのです(音楽モノなのに音もダメという致命的なケースもけっこうあるのがツライ)。 同業者や最近ライブ配信を一緒にやっているチームのメンバーともLINEなどでいろんなライブ配信の話になって、「撮影もスイッチングもイマイチだよね」とか「これすごいな、こんなのつくりたいよね」などと話しているんですが、じゃあ、どんな映像ならよ

あいみょんの新曲『裸の心』から感じる現代性の拒否とニューミュージック

あいみょんの新曲「裸の心」に度肝を抜かれた。曲のすべての要素が、明らかに「2020年にリリースされた曲」とは思えないのである。 あいみょん「裸の心」の異質さピアノとハーモニカ、アコースティックギターを基調としたアレンジとシンプルな構成のメロディ。片想いをする人の心情を少ない情報量で書き記した歌詞と、少しこぶしを効かせて言葉の母音まではっきりと聴き取れるような発声。極め付けは、間奏の郷愁を誘うようなハーモニカソロ。よく言えばシンプルでオーセンティック、ネガティヴなニュアンスを

インタビュー翻訳 - Tone Glow 014: Jim O'Rourke

Tone Glowに掲載されているジム・オルークのインタビュー記事の翻訳です。とても長文で面白い内容ですがその長さゆえに翻訳ソフトにかけるのだけでも結構手間だと思うのでそういう方のためにまとめて載せておきます。 ただし基本的にDeepL翻訳にかけたものをそのまま載せているだけなので、細かいニュアンスが間違っている箇所もあるかもしれません。くれぐれもその点留意のうえ、できれば原文も確認しながら読んでいただければと思います。 元記事 “Joshua Minsoo Kimが編

90'sUK HipHop 30選

こんにちは 今回は90年代当時のチャートやYouTubeの再生回数に焦点を置き厳選した30のアーティストと作品を順不同で紹介していきます。 (ラッパーに限らず幅広め) ↓こちらで紹介したアーティストは割愛します。 画像や下線部タップでリンクへ飛べるので、 気になったものがあれば聴いてみてください。 1. Massive Attack「Risingson」(1997) トリップホップとして有名なMassive Attackですが、当時はHipHopとしてリリースされまし

アメリカで芸能人の政治発言が叩かれないのは本当?

 検察庁法改正抗議によって「アメリカのセレブの政治的言動」への注目が高まるなか、拙書『アメリカン・セレブリティーズ』の名前を出していただいたりもしたので、個人的な所感を書きます。 アメリカでも政治発言は叩かれる (ヒラリー・クリントンへの投票を呼びかけるビヨンセとJay-Z夫妻)  個人的な所感としては、アメリカにおいてもエンターテイナーの政治的言動、とくに特定政党の支持または批判、あるいは思想によって賛否がわかれがちな傾向にあるイシューにまつわるオピニオンはバッシングを

interview JTNC6:Mark De Clive-Lowe - 日本をルーツに持つジャズ・ミュージシャンがLAで作った日本をテーマにしたアルバム『Heritage』のこと

マーク・ド・クライブロウはウエスト・ロンドンのブロークンビーツ~クラブジャズのシーンのキーマンだった。(※マーク自身による以下の00年代ブロークンビーツの名曲を集めたプレイリストはそのシーンのど真ん中にいたからこそ作れる選曲で素晴らしい。) それが突如LAに移住。ジャズ・ミュージシャンとして活動を始めた。そこではUKで培ったクラブ・カルチャーとUSのライブ・カルチャーを組み合わせたイベント《Church》を立ち上げてシーンを活性化させたり、ドワイト・トリブルやハーヴィー・メ

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UK HipHopの歴史④|00’s グライムとロードラップ

こんにちは 今回は00年代のUK HipHopですが、グライム、 ロードラップとUK HipHopの3つに分けて書いていきます。 グライムグライムとは、2001年にイーストロンドンで誕生した音楽ジャンルです。HipHopとは違いUSからの文化輸入ではなく、主にUKガラージ、ジャマイカのサウンドシステム、ダンス、レイヴ文化から影響を受けています。グライムもRapを中核とした音楽ジャンルですが、HipHopのサブジャンルと定義するとブチキレられます。 先にグライム文化を理解し

デイヴィッド・トゥープ『音の海』とノンサッチ・エクスプローラーシリーズについてのエーテル・トーク、のようなもの

『intoxicate』Vol.75(2008年8月)  おそらく多くの音楽愛好家は、それぞれのリスナーとしての経験にもとづいた独自の音楽体系のようなものを持っているのではないだろうか。それはよくあるディスクガイドの類の構成や順序にしたがったものとは異なるものになるだろう。歴史的に、時系列に沿って古いものから順番にとか、空間的に、ある地域の音楽を起点として広がっていくとか、あるアーティストを聴いたら次はこれ、といった明確に指示された関係性によってのみ連鎖していくとはかぎらな