- 運営しているクリエイター
記事一覧
【識者の眼】「現金給付で顕在化する『住民税非課税世帯』の矛盾」岡本悦司
岡本悦司 (福知山公立大学地域経営学部医療福祉経営学科教授)
Web医事新報登録日: 2021-12-08
社会保障や社会福祉での重要なキーワードに「住民税非課税世帯」がある。各種給付の受給資格が住民税非課税世帯と規定されているものは少なくない。保険料でも、たとえば介護保険は「世帯全員が住民税非課税」なら基準額×0.7というふうに規定されている。では住民税非課税世帯とは所得いくら以下か? と、
【識者の眼】「非感染性・慢性疾患の疫学者が語る『新型コロナワクチンと副反応』」鈴木貞夫
鈴木貞夫 (名古屋市立大学大学院医学研究科公衆衛生学分野教授)
Web医事新報登録日: 2021-12-07
日本の新規感染者数は現在でも低い水準を維持している【1】。執筆時(10月下旬)の対人口の新規感染者数で、日本を1とすると、1未満は台湾の0.10とバングラデシュの0.78くらいで、韓国で11.5、米国で89.2と日本よりはるかに高い。シンガポール、イギリス、旧ソ連・旧ユーゴスラビア諸国
【識者の眼】「新型コロナウイルスワクチンと帯状疱疹」水野泰孝
水野泰孝 (グローバルヘルスケアクリニック院長)
Web医事新報登録日: 2021-12-09
最近、帯状疱疹に関する問い合わせを受ける機会が増加している印象です。メディア等で帯状疱疹ワクチンに関する情報提供が行われていることもあり、ほとんどの方は帯状疱疹ワクチン接種に関する相談なのですが、昨年よりCOVID-19と帯状疱疹発症との関連性に言及したものやCOVID-19ワクチン接種後の帯状疱疹
【識者の眼】「小児科・児童精神科から精神科へのトランジション」本田秀夫
本田秀夫 (信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授)
Web医事新報登録日: 2021-12-01
子どものこころの問題は、「神経発達症」「虐待やいじめなど心理的ストレスあるいはトラウマ体験に由来する情緒・行動の問題」「通常は成人期に発症することの多い精神障害の早期発症」の3つに大別される。いずれも短期間の治療で治癒や寛解に至ることは少なく、成人後も精神科診療の対象となることが多い。し
【識者の眼】「『日々のお薬の管理はどうされていますか?』と聞いてますか?」中村悦子
中村悦子 (社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)
Web医事新報登録日: 2021-12-09
先日から「コロナ禍で全国のがん診断数が6万人減少している」件が話題になっています。
確かに私の周りでもコロナウイルスの感染を恐れて病院受診を拒んだり、定期受診の回数を減らしている人が増えており、説得して受診につないだ結果、手術適応ではないがんが見つかった方が数名いて心苦しい思い
【識者の眼】「男女共同参画と働き方改革」野村幸世
野村幸世 (東京大学大学院医学系研究科消化管外科学分野准教授)
Web医事新報登録日: 2021-12-02
男女共同参画が叫ばれて久しいが、最近になり、やっと、本腰を入れて男女共同参画を考える学会も増えてきた。喜ばしいことである。一方、厚労省からは働き方改革が謳われ、医師にも働き方改革が迫られ、労働環境改善委員会などの名称の委員会が設置された学会も多い。
昨今、働き方改革が実現すれば、男女
【識者の眼】「新型コロナワクチンブースター接種の前倒しを」小倉和也
小倉和也 (NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク共同代表、医療法人はちのへファミリークリニック理事長)
Web医事新報登録日: 2021-12-06
新型コロナウイルスの再度の感染拡大を受け、世界各国でワクチンのブースター接種が前倒しで進められている。2回接種が必要なワクチンについては、イスラエルなどで終了後7〜8カ月を目安に接種することから始まり、その後多くの国では6カ月後
【識者の眼】「変異ウイルスへの検疫での対応に見るこれからの危惧」和田耕治
和田耕治 (国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)
Web医事新報登録日: 2021-12-07
変異ウイルスは今後も出現し、島国である日本は、水際でできるだけ止めたいという国民の期待も強く、流入した場合には「失敗」のように受け止められるようになる。しかし、あくまで、主流となるウイルスであれば検疫は国内への流入に向けて「時間稼ぎ」にすぎないことは多くの方も理解されるようになってきた。
現在は
【識者の眼】「『HPVワクチン』問題解決には、医学が示す数字以外にも眼を向けなければならない」中井祐一郎
中井祐一郎 (川崎医科大学産婦人科学1特任准教授)
比名朋子 (神戸市看護大学健康生活看護学領域ウイメンズヘルス看護学)
Web医事新報登録日: 2021-12-06
予防接種法に規定される疾病には、A類とB類の区分がある。厚生労働省が監修する逐条解説には、A類疾病に係る予防接種とは主に集団防御を目的として行われるものと記載されているが、果たして「HPVワクチン」の定期接種にこの視点があるのだ
【識者の眼】「HPVワクチン接種後の慢性疼痛にどう対応すべきか(10):積極的勧奨の再開」奥山伸彦
奥山伸彦 (前JR東京総合病院副院長)
Web医事新報登録日: 2021-11-26
11月12日の第72回厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会)の決定を受けて、8年余ぶりにHPVワクチンの積極的勧奨が再開されることとなった。その根拠は、①多様な症状とHPVワクチンとの関連についてのエビデンスは認められていない、②子宮頸がんに対する予防効果が示されてきている、③症状に苦しん