源氏物語 幻想女楽「花かさね」楽曲解説 その1
「かさね」は、一般に昔の装束の色目の取り合わせを意味し、“襲” とも“重”とも表されます。平安装束の色彩でいえば、袷(あわせ)の表裏の色の重ね(襲(かさね)の色目(いろめ))、経(たて)糸・緯(よこ)糸の織の色目、重ね着の色の重なり、といったさまざまな色の組み合わせがあります。こうした衣(きぬ)の色の重なりが、絹糸の発する光の効果(絹糸のプリズム効果―龍村光峯氏説)を取り込んで複雑な色合いを創りだしたことはいうまでもありません。
源氏物語・若菜の下における女楽では、源氏の放つ