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N響のモーツァルトに包まれる夜

急に秋らしい涼しさになった日曜日夕方、長野県伊那文化会館でNHK交響楽団(以後、N響と記します)の公演が開かれました。

先月チケットを購入した際には既に残席僅かでしたが、公演当日の入り口横にあるポスターを見ると、”チケット完売”の張り紙がありました。さすがN響、大人気です。

今回の公演内容

大ホールの座席数は1,300席、わたしの席は館長さんもおすすめの2階席前列。はやめに着席して本公演の冊子を眺めながら開演を待ちます。

チャイムが鳴って少し後、メンバーと指揮者がステージに揃いました。最初の一音を待つ緊張のひととき。それから一呼吸おいて弦楽器の繊細な音が会場に響き渡りました。

◆ プログラム前半 ◆
交響曲 第29番 イ長調 K.201
フルート協奏曲 第2番 二長調 K.314

軽やかなメロディー、コロコロとよく動く音、モーツァルトらしい軽快で明るい音楽。音量はひかえめ、けれどギュっと凝縮された密度が高い音。これだけでもう、今日はすばらしい演奏が聴けそうだと確信しました。

今回の曲目はすべてモーツァルト。予習なしで来たので知らない曲ばかりだと思っていましたが、聴いてみると前半の2曲はどこかで耳にしたことがあるものでした。やはり、少しでも聴き覚えがある方がより楽しめます。

日本の常設オーケストラの中ではおそらくトップであろうN響なので、レベルが高いことはわかっていましたが、それにしても、フルート協奏曲で独奏した神田寛明さんの演奏はすばらしく美しかった!

――――― 休 憩 (20分)―――――

せっかくなので、モーツァルトについて少し紹介を。

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)
ザルツブルク(オーストリア)生まれ
幼少期より神童として名を馳せ、生涯に600曲を超える作品を生み出したが、35歳の若さでウィーンの自宅にて死去。

ハプスブルク王家が統治するオーストリアの都ウィーンWIENで、おおいに活躍したそうです。ベルばら(ベルサイユの薔薇)の時代といえば、なんとなくイメージしやすいでしょうか?

以下、25年前にウィーンを訪れた際に購入したポストカード

ウィーン国立歌劇場
ここでオペラ『仮面舞踏会』を観賞


シェーンブルン宮殿
マリー・アントワネットも過ごした


シュテファン大聖堂

今でこそ神社仏閣や古都奈良が大好きなわたしですが、若かりし頃は、しっかりとヨーロッパにかぶれておりました。

クラシック音楽が好きで、特に名古屋に住んでいた学生時代の2年間はほぼ毎月、何かしらのクラシックコンサートへ足を運んでいました。HMVやタワーレコードでCDを収集し、何度も何度も聴く毎日。

チャイコフスキーの悲愴感に同調し(10代だから?)、ラフマニノフの甘美な音楽に陶酔し(10代なのに?)、マーラーの・・・いえ、このくらいで止めておきます。

そんなクラシック漬けの毎日でしたが、なぜかモーツァルトを自主的に聴く気にならなかったのは、陽気な音楽が当時のわたしの肌に合わなかったからかもしれません。

◆ プログラム後半 ◆
交響曲 第39番 変ホ長調 K.543

前半のプログラム構成が、モーツァルト18~22歳という若き日に作曲された作品であるのに対し、後半は、晩年32歳で作られた曲です。

ファゴット、トランペット、ティンパニが新たに加わったことで、一気に音の迫力が増しました。同じオーケストラと言っても、前半の曲が小編成で室内楽寄りであったのに対し、音量のある楽器が入ったことで大ホールで演奏するのにふさわしい迫力ある曲になりました。ベートーヴェンの交響曲にもつながるものを感じます。

ピアニッシモppからフォルテッシモffまで一瞬で変化する、変幻自在の演奏レベルの高さに「すごい・・・!」という言葉しか出てきません。

ときに優しく、ときに鋭いメリハリのある演奏は最後までつづき、音が鳴りやむと同時にBravo!の声と大きな拍手がホールに響き渡りました。おぉ、まさか伊那でBravoが聞けるとは。

カーテンコールを何度も繰り返し、最後は団員がステージからいなくまるまで見届けて席を立ちました。周りからも「よかったね~」という声がたくさん聞こえ、満足度の高い演奏会であったことは間違いありません。

やっぱり、クラシックコンサートっていいな。

会場の外へ出ると、晴れた夜空には上弦の月、ぼくたちも負けてないよ~と言わんばかりの秋の虫たちの大合奏がお出迎え。

また、来よう。

<おまけの話>
翌朝起き上がると、なんだかいつもより体が軽い。髪の毛もサラッとしている。これはもしや、モーツァルト効果?彼の音楽を聴くと細胞が治癒されるという噂は本当だったのか・・・?!

気になる方は、どうぞお試しください。。

お気持ちありがとうございます。大切に使わせていただきます。