ノンマリ連載短編小説 - 「Letters. 君と詠む歌」 第六首 (全12回)
前回までのあらすじ:仕事の後、一緒に帰ることになった二人。天津はコミュニケーションが上手で、彼の言葉はどれも仄かに恋の匂いがする。一方で「なにか食べて帰ります?」と聞かれても「私は大丈夫です」と答えてしまう自分は可愛げがないと思う玉緒だった。
第六首
夏なのに 折るアイスすら食べてねえし
俺たちたぶん 彩度が低い
「天津くんって平安時代の短歌、知ってます?」
「あー、なんかサラダのやつとかなら知ってます」
「サラダ…は多分、平安時代ではない気がしますけど」
「さすが文学