ノンマリ連載短編小説 - 「Letters. 君と詠む歌」 第七首 (全12回)
前回までのあらすじ:適当な返事でさっさと帰りたそうにしている玉緒に、アイスを食べようと提案する天津。ついでに一緒に花火もしようと誘うが、女との夏の思い出をこの際コンプリートしようとしているのではと指摘される。
第七首
そういえば 気が狂う前兆だった
一緒に食べた ぬるいレバニラ
「お邪魔します」
どうぞ、と招いてくれた彼女の部屋は白くて、ありきたりで、少し足りなくて、彼女の部屋だった。
「天津くんの家はここからどれくらいですか」
「歩いて大体15分だから、すぐですね