名古屋市美術館「福田美蘭」特別展をみて。自分の得意って?思い出す
先日、名古屋市美術館で「福田美蘭―美術って、なに?」特別展(2023/9/23~11/19開催)を楽しんできました。
私にとってはほとんど初めての現代アートの美術館。
現代美術家・福田美蘭氏の作品の数々が、
独特な世界観
ユニークな着眼点と発想
本物かと思えるほどの模写力
に、驚くし、感心するし、隅々まで見入ってしまうし、とても充実した時間でした。
そして私のような初心者にもわかりやすく、楽しみやすい作品や工夫がいくつもありました。
少しご紹介します。
(作品は一部以外写真撮影可、SNS発信は自己責任でとのことです)
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そもそも、美術館って、多分学生時代に行ったヨーロッパで訪れたルーブル美術館以来でした。
絵は好きだけど特に極められず、才能と遺伝子のせいにしていました。
今回、予定の場所が名古屋の白川公園付近で、直前に少し時間があるので調べると美術館を発見。
しかも今開催中の「福田美蘭―美術って、なに?」…なんだかおもしろそう。
そもそも、絵画の展示会のポスターが「松竹梅のうな重!?」(しかもとてもリアル)でピンクというかなりのインパクト。
「私にもわかるかな現代アート…。現代も古典もなにもわかんないけど。」
と、そんな不安もあるなか、
「でもいつもと違うことがしたい、
なにか文化的、芸術的なものにふれ。何かを感じたい。」
と思い訪れてみました。
なにか目新しさ、変化を求めているのかな私。
そこまでだいそれたことじゃなくても、なんだか秋にアートってステキ。
1人で美術館なんて、とっても贅沢な時間な気がして、
隅々までみてこうようと決め、かなりドキドキして入りました。
実際の写真や実在する有名画を、模写したり、見方を変えたり、想像し、大きなキャンパスに福田氏の新しい世界が展開されていました。
有名画や写真から展開している作品が多く、その模写力に驚きます。
とても大きな作品も多く、かなり迫力があります。
有名なモナリザの絵から想像した作品。
モデルをしていたモナリザの休憩中を想像されているそう。
絵のモナリザが、
「あー疲れた、長時間同じ姿勢でやってらんないよ」という言葉が聞こえてきそう。(私の想像です)
*ほとんどの作品が写真撮影可です。
私が気になった作品のひとつは、「涅槃図」
童画家だった祖父林義雄氏の死をきっかけに、祖父の童画に描かれている生き物たちを描いた作品。
見慣れたかわいらしい動物たちが、描き命を与えてくれた祖父にパワーを送っている絵が、印象的でした。
どんな動物がいるのか、一つ一つ丁寧に見ていくと、表情や動きまで細かくおもしろいです。
大きい作品なので、今にも動物たちが飛び出してきそうです。
福田氏のアートには祖父の影響も大きかったのでしょうか。
斬新な作品のひとつに、「開ける絵」というものがあります。
開いて、閉じることができる絵って見たことありますか?
しかも実際触って体験できるのが面白いです。
通常芸術品って、「Don't touch」と貼り紙がされているイメージですが、体感できるのです。
人よりも大きな額縁を、ゆっくり開け閉めできます。
天井の角にフィットしている絵など、私の絵画の概念が覆されました。
「探してね」と、見方のヒントもちりばめられていて、素人にも楽しみやすい工夫がされています。
時代も国も様々な画法や画家の作品を独自の発想で展開して表現されていて、素人からしたら、ただただすごいとしか言いようがありませんでした。
有名画の一つの作品から、想像した新たな世界が広がり、描かれたものが作品が飛び出してきそうなくらい躍動感を感じました。
思わず、すごい…と言葉が出そうでした。
丁寧に一つ一つパネルの説明を読みながら回りました。
(パネルの説明文が日本語しかないのはちょっと残念。外国の観光客の方もいたので。)
これだけの大作は、イメージ構成から一つの作品を完成させるまでに、
どれくらいの時間がかかるんだろう、と思わず学生時代を思い出しました。
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私が中学生のとき、絵画で県のコンクールで賞をとったこともあり、得意だと思っていました。
でも、当時の美術の先生に
「頑張ってるし、成績5はあげたいんだけど時間がかかりすぎるし、人数が決まっているから」
と、成績を5から4にしたと伝えられたことがありました。
確かに、どの作品も細かく納得がいくまで何度も塗り直したりと、かなりの時間がかかる生徒だったので、自分でもちょっと嫌気はしていました。(授業内に終わらず家に持ち帰りもしていた)
理由を説明してくれるところに先生の優しさを感じましたが、
自分が得意だと思っていた美術の成績が下がってショックでした。
しかも、その学期は美術以外オール5というミラクルな学期だったので、
なんだか自分の好きや得意ってなんだろうって思った記憶があります。
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久しぶりに、じっくり自分時間を楽しむことができ、さらに自分の得意ってなんだったっけ?と色々と考える時間になりました。
写真撮影はOKですが、静かな空間で、他の人がじっくりみて楽しんでいるところではためらいます。撮影の場合は、誰も鑑賞していないタイミングで、他の人の邪魔にならないようにお楽しみください。
11月13日まで開催とのことです。
名古屋で芸術の秋、福田美蘭特別展(名古屋市美術館)という楽しみ方もいかがでしょうか。