見出し画像

ケース-001 男性、仕事で自信を失っている

CL1
「最近、自信が無くて…」

CO 1
「自信を失われたんですね」

CL 2
「そうなんです。色々やって、
 成果も出したのですが、
 部下が離れた、いや部下から
 攻撃されたような状態で…」

CO 2
「部下のためにもと考え、
 成果を出してきたのに、
 その部下に攻撃されて
 落ち込んでいる」

CL 3
「そうなんですよ!
 落ち込みますよ、というか
 もう、人が信じられない…」

CO 3
「人間不信になって
 しまわれたんですね」

CL 4
「そうです。人間不信です。
 評価もしてきたのに
 そっぽ向くならまだしも
 間接的に私のダメ出し
 しているんですよ!」

CO 4
「評価をしたのに、
 間接的にダメ出しして
 〇〇さんに攻撃してくる
 部下がいる」

CL 5
「はい。
 いや、ほんとね、
 信じられないです。
 どうして、そういう
 無礼な失礼なことが
 平気でできるのか?

CO 5
「信じられない、
 どうして、無礼で失礼な
 ことを平気でできるのか
 と感じてらっしゃる」

CL=クライエント(相談者)
CO=カウンセラー

ただ、聞いているだけ…
と一般的には感じられる
会話ですが、
カウンセラーとしては、
聴いているのです。

「聞く」ヒアリングではなく、
「聴く」リスニング。
『傾聴』です。
(アクティブ・リスニング)

『傾聴』とは、
カール・ロジャースが提唱した
カウンセリングの基本技法です。

※カール・ロジャースとは
『来談者中心療法』を創始。
(非指示的カウンセリング)

※ 『来談者中心療法』 は、
 現在のすべてのカウンセリング
 の基礎になる心理療法。

人は、話すことが好きです。
相手の話しを最後まで聴かずに
先回りして、助言や指導を
したくなるもの(苦笑)。

また、一般的には、
カウンセラーは、相談事の
問題を解決してくれる、
アドバイスをしてくれる人
と認識されている節があります。

しかし、
カール・ロジャースは
こう定義しています。

- - - - - - - - - -
カウンセリングの目的は、
特定の問題を解決すること
にあるのではなく、
個人の成長を援助する
ことにある
- - - - - - - - - -

確かに、人財育成でも同じですが、
指示ばかり与えていると、
指示待ち人間となり、自分で
考えることのできない人財が育ちます。

だからといって、任せたところで、
上手く動いてくれない、
望み通りの動きをとってくれない
と、マネジメントの悲鳴が聞こえます。

しかし、
マネジメントスキルの一つ
「コーチング」は
『部下育成の中で、部下に寄り添う』
ことだと言われています。
そこに「指導する」とは入っておらず、
手取り足取り教えるのは
「ティーチング」とされています。

カール・ロジャースは
こうも言っています。

- - - - - - - - - -
クライエントは温かく受容
され、一切の批判や指示を
されず、肯定的関心を向けて
くれるカウンセラーに出会え
さえすれば、自ずと問題を
解決できるようになるのだ
- - - - - - - - - -

大切なことは、
相手の自助能力を信じて、
悩みを聴くことで、
絡まっている悩みを整理し

自分で解決方法を
見つけ出せるように、
そっと寄り添い、
温かく見守りながら、
共に歩んでいくこと
それがカウンセラーの
存在なのかも知れません。

もちろん、時には、
相手に気づかれないように、
手を差し伸べながら。

#自信が無い #カウンセラー #EAPメンタルヘルスカウンセラー #クライエント #聞く #ヒアリング #聴く #リスニング #傾聴 #アクティブリスニング #カールロジャース #来談者中心療法 #非指示的カウンセリング #個人の成長を援助 #対人援助 #マネジメント #コーチング #見守る #温かく #心理療法 #カウンセリングの基礎 #無条件の肯定的関心 #共感的理解 #自己一致

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?