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2023年9月の記事一覧

【詞】波止場

【詞】波止場

波止場は静か
作業は終わったみたい

オシャレなあなたの耳飾りだけ
ふいに吹いた風に揺られていた

ちいさなカニが居るのか見たくて
そういえば海に来たんだっけ

岩場があまりに波打つから
変わって波止場に来たんだっけ

心は漠然としていて
何秒か経つとわすれてしまう

あなたもそうなのかな
いや きっと違うよね

波止場は静か
すこし温い風が吹いていた

僕らはそこで草木のように
じっと立って浴び

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【詞】"休日"がテーマ

心の内側 窓を開けて
外側に映る誰かの住む灯
感情のブランコに乗って大きくゆれるほど
起伏も大きくなっていきそう

とりあえずベンチに腰掛けて
ここから世界の流れを見てみる
適度な休憩も大事だけど
今日は休み過ぎたかもね

はにかんだあなたがまた見たくて
ソーダを零したみたいな空の真ん中
そこに居るはず でも会うことに迷う

答えが無いこと 分かっているのにさ
すべては自由なのに なのにさ
自分は

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【詞】スパイス

【詞】スパイス

わすれたふりが上手いから 
なんてことないと思うのです
でも君のこと、それでも時々思い出すのです

歩く度、身に着いた知恵は 
悲しい時に役立つけれど
でも君のこと、それでも時々思い出すのです

直接的な感情と机の前で向かい合って
言葉に起こして 言葉を丸めて 
雑念の無いよう届けたいのに

君の世界は遠くでゆれる陽炎みたいに 
掴みどころがないから
ある種の幻の外で 自分は爪で脛を掻いて
言うか

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【詞】距離感

嘘の話でもいいから 気持ちの沈む夜は
控えめでいいからさ 君の声が聞きたくて
春も夏も過ぎていって 秋も冬もあっという間で
気持ちの沈む夜だから ちょうどよい距離感を
改めて感じたい 

僕の方はというと上手く言葉が返せないけど
これから話すことが一歩先の未来になることを
知っているから 
振り向き様におどけてみせて

あの季節も この季節も 
混ぜ合わせた話を作ろう
暗い扉を朝がノックするまで

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【詞】爪(仮)

暗めです

爪で脛を掻いたのは
夜に暇を持て余したからでなく
どこかで気を紛らわせようと
思っているからなのだろう

瞼を閉じれば その分だけ 
膨らんでいく理想像の中
自分はどこにも居ないこと 
分かりたくなかったのだろう

空から零れる雨で 
月は暗がりの雲に隠れてしまった
朝になれば街行く人に 
右往左往に酔ってしまう

踵、確かに地に着いているのに 
すべてがうねりにうねって見える
上手く

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【詞】疾走

【詞】疾走

真っ白な朝を急ぐ 脳はとうに渦をまいて
何も無い無い感情がやがて青を掴むのを期待して

真っ白な朝を急ぐ 脳の憂いも渦をまいて
それすら掻き分けて 走る 走る 走る

夜の焦燥こねくり回して 
どこで線引きするか わすれてしまうほど 
今日の僕はなんだか違う気がする

額汗ばみ 向かう朝の先
今日の僕はなんだか違う気がする 
それも心地いい
渇いた心 まるで水を浴びたみたい

どこまで来たのか い

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