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2023年7月の記事一覧

【詞】夏日

【詞】夏日

僕はしずかに靄になって
街の肌を撫でてみたい
重力も感じないくらい
銀河の庭で遊んでみたい

果実みたいな目の奥の
青い芽吹きは西に消える
そういうものなので
そういうものなのです

バイバイ 面影を込めた歌
バイバイ 待ちこがれた夏の日
夢の心地 熱が伝った
ダンスホールの人人たち

バイバイ 掴みどころのない
魚影みたいな汗の流る手も
僕にとってこの世界は
今すべてが半透明です

僕はしずかに

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【詞】複眼的夜



時刻は午前3時を回った。
自分はまだ眠れずにいる、
さっきまでの友達との会話の輪郭だけが
延々と部屋を漂っていた。



僕はトンボの様な複眼で、
会話を一つ一つずつ振り返りたいのです。
することも何もない夜は、
空っぽながら何かに頼って
それを言葉に起こしてみたいものなのです。



することと言ったらそれだけなもので、
ひたすら文章に起こして、眠気が来るまで待つも
そうしたら返ってか

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【詞】よるへうたかた

目が踊る街 耳を揺らす街 
翳りの脈がまるで高鳴る世界で

夕方の色彩 今、うたかたになる 
バイバイ 夜に袖を通して

懐かしいことも、新しいことも、
それはすべてが二進法

僕たちは画面の外で 
鼓動を泳ぐ音を聞く

夏の記憶も、まっしろな霧中も、
今はすべてがストレンジャー

僕たちは透明な羽で 
空浮かんだ気分になるのです

"眠れない夜にⅣ" から

短くて面白い文章になった と思いまし

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【詞】面影は泉で

燥いだ音の輪郭が
裂罅して出来た隙間に冷たい風が吹く
今、微々、日々の夢のなか
今、微々、日々の夢のな か

間違う夜の輪郭が
裂罅した出来た合間に寂れた塔の揺る
昨夜、微熱でしたためた文字を包み
泉の底の朝に問う

僕の面影だけ、面影だけ、面影だけ
夢に と
     け

君の面影だけ、 面影だけ、 面影だけ
   空
  に 
 浮


僕の面影開け、面影開け、面影開け
夢 に
    と

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【詞】微熱で(仮)

微熱に夜起きてしまった
ひたすら朝が来るのを待ちたい
水を飲み干しても 足りないから
やっぱり眠りたいけど

耳元で生ぬるい風は
法螺を吹かないで
その侭でいてほしい
その侭でいてほしい

"Good night's sleep"
今は願うだけです
夜景は喉を通っても
やがてはいっぱいになります

"Good night's sleep"
今はメリーゴーラウンドみたいに
回遊する夜の刹那が
目に沁

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【詞】雷雨(仮)

冷たい雨はアスファルトを寒そうな顔にします
猫の背みたいに柔らかな草も寒そうな顔をします
混ざりに混ざって灰色、
季節の固まった毛並みも解れやしないのです

日常が傾いたら なかなか戻らないもので、
焦燥の荷はいつ下ろせるの
ひたすら心は揺られてしまって

突然の稲光にハっとしたのさ
溜め息ばかりの世界に今日も居ようと思ったのに

真っ白い虚無にすべて消える時、
図太い音を鳴らして 鳥も雨も歌って

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【詞】"筏"と"夜"がテーマ

夜が明けてしまった
ずっとずっと暗い星の海を
じっと握ったオールだけで
泳いだ 泳いだ 夜の筏

覚めないのは光の裏に
張り巡らされた瞑る顔です
瞼を開けて 澱んだ夢から覚めて

君の声、聞かせて
夜の向うに踊るあの雲に
確かでない歌を聞かせて、

君の声、聞かせて
銀色の山並み思い出して
確かでない歌でも聞かせて、

君も僕もスズメの鳴く朝も
すべては偶然なのかも知れないね
それでもいいと
赤ら

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