写真整理 XIII 〜懐かしの台湾写真〜
どうも西尾です。
ここ大阪では今日・明日と天気も良くお出かけ日和の週末です。
外出の際には花粉症対策は万全に行いたいと思います。
皆様もどうぞご自愛下さい。
写真整理 XIII
〜懐かしの台湾写真〜
どれくらい眠っただろうか。
朝、目覚めると枕元の照明が点けたままになっていたことに気づく。
知らぬ間に眠ってしまっていたことをすっかりと忘れていた。
部屋からロビーに出ると、朝陽は昇りきっていたが未だ誰も起きていない静かな朝であった。
おそらく隣の高校生たちも遅くまで楽しい時間を過ごしていたのだろう。
昨夜のあの楽しそうな声が嘘のようである。
私は今がチャンスとばかりにシャワーを浴びることにした。
朝からシャワーを浴びて眠気も吹き飛んだ。
シャワーを浴びながら下着や靴下、ハンカチも手洗いした。
シャワーを浴び終え、ドライヤーで髪の毛を乾かしていると宿のご主人がやってきた。
おはようと挨拶をし、先程手洗いした洗濯物を乾かしたいのでどこかに干させて欲しいことをお願いすると、建物の屋上に干させて貰えることになった。
屋上に上がると物干し竿がありちょうど良かった。
台東の街も綺麗に見渡せた。
洗濯物の干すことが出来たので後は乾くのを待つだけである。
私は朝食を買いに行くことにした。
台東の街でも朝からお店が開いていて朝食を買い求める人で賑わっていた。
バスターミナルに向かって歩いていくと途中に美味しそうなパン屋さんがあった。
入り口に様々な植物がおかれているオシャレなお店で、ガラス越しに見えた店内には美味しそうなパンたちが棚に並んでいた。
それを見ているうちにパンが食べたくなって仕方がない。
そのパン屋さんで朝食を買った。
購入したのはガーリックフランスの半切れとキャラメル菓子である。
店内に入ると様々なパンたちが私を迎えてくれたのだが、ガーリックの美味しそうな匂いに誘われて私の胃はガーリックフランスに釘づけとなった。
惣菜パンだけだと甘さも欲すると思いキャラメル菓子も次いでに購入した。
朝食を購入して宿に戻る。
宿に戻ってきても未だ誰も起きていなかった。
屋上に置いてある洗濯機の動く音が聞こえてくる。
私はロビーのベンチに座り朝食を食べた。
ガーリックの匂いとフランスパンの柔らかさがちょうど良かった。
サイズ的にもちょうど良く、腹拵えには十分であった。
おそらく、日本のパン屋さんで売られているガーリックフランスとあまり変わらないかもしれないが、異国の地・台東で食べるということが私にとって特別なものにしてくれた。
キャラメル菓子もちょうどいい甘さで美味しかった。
ガーリックに染められたのでキャラメルで口直しをする。
後で調べて分かったことだが、キャラメル菓子については台湾土産物としてネット通販でも購入できるものだった。
朝食を食べ終わりこの後の行動を考える。
翌日は日本に帰国する日であった。
なので今晩台北に戻る。
私はこの宿のご主人に夕方頃まで荷物を置いておきたいことを伝えた。
次いでに、夕方頃にもう一度シャワーを使わせて欲しいことも頼んだ。
宿のご主人も別に構わないと快諾してくれた。
すごく助かった。
荷物を抱えたまま歩き回るのは大変であるから、置いておけるなら置いておきたい。
屋上に上がると台東の心地よい風に吹かれて気持ち良かった。
台東も花蓮と同じく海が近かった。
晴れ渡った青空に太陽が輝く。
干していた洗濯物を確認すると未だ乾いていなかったので、また後で確認するようにした。
私は昨夜のバスターミナル裏の鉄道公園のことを思い出した。
行ってみることにした。
公園には立派なホームがあり、昔の車両が留め置かれていた。
黄色の車体が当時の面影を感じる。
線路も当時のままであった。
ここだけ時間が止まっているかのように思えた。
レールの上を歩いてみたり、プラットフォームに登ってみたりすると昨夜とはまた違った印象である。
どこからか野良猫がやってくる。
1匹や2匹ではなかった。
野良猫たちはどこからやってきたのか気になったので後をつけてみた。
猫たちは草むらに入っていった。
子猫もいてるのか分からないが茶色や黒の猫たちである。
私が見ていると“こんにちは”と挨拶でもしてくれているのか、小さく鳴いてくれた。
台東の猫コミュニティを垣間見れて嬉しくなった。
公園の近くには塔のような建物もあった。
何の施設か分からなかったが、おそらく寺院か何かの施設と思われる。
なかなかの高さで、一番上から見た景色は綺麗だろうなと思い、登ってみたかったが勝手に登って通報でもされるとかなわないので見上げるだけにした。
公園や野良猫たちや等を見て歩いているといつの間にか時間も経ち、時刻はお昼を回っていた。
私はそのまま昼食を買いに行った。
色々なお店があり何を食べようか迷っていたが、また牛肉麺の看板を発見した。
今晩台北に戻らなくてはいけないし、最後に牛肉麺を食べるのも良きことだと思い牛肉麺を購入する。
お店のおばさんが手際よく牛肉麺を準備する。
この道何十年という感じでベテランの雰囲気が溢れていた。
出来上がった牛肉麺を貰い、近くのジュース屋さんにてオレンジ丸搾りジュースも購入した。
牛肉麺とジュースを持ち宿へ戻る。
宿へ戻るとご主人は部屋の掃除をしていた。
高校生の集団はチェックアウトして出て行ったようだ。
屋上に上がり心地よい風に吹かれながら昼食を食べた。
牛肉麺は台北で食べた時と異なり、醤油ベースのスープであったが香辛料が効いて美味しかった。
牛肉麺のピリ辛さとジュースの甘さがちょうどいい感じであった。
台湾旅行の最後に牛肉麺を食べられて嬉しかった。
牛肉麺と言っても地域差があるのだろう。
面白かった。
昼食を食べ終えた私は海岸の方まで歩いてみることにした。
台東の海岸線もすごく綺麗だった。
明日には日本に帰らなければいけないと思うと寂しい気持ちになる。
日本と違い時間がゆったりと流れて心地良かった。
気温もだいぶ上がっていた。
Tシャツ一枚に短パンで十分に過ごせる暑さである。
波の音が心地よく、潮風に吹かれて心が踊り出す。
海岸で海を見て過ごしていると、陽も徐々に傾き出したので宿へ戻った。
時刻も夕刻頃になっていたので最後に宿でシャワーを浴びさせて貰う。
今晩の電車で台北に戻ると次にシャワーを浴びるのは日本に帰ってからとなる。
シャワーを浴び終わり、ドライヤーで髪の毛を乾かす。
宿のご主人が部屋の準備をしている。
新たな宿泊客がそろそろチャックインしに来てもおかしくない。
屋上に洗濯物を取りに行った。
下着と靴下とハンカチを干していたが、ハンカチが無くなっていた。
物干しから落ちたのかと思い辺りを探すも見つからない。
見つからない物は仕方がない。
風で飛ばされたのかもしれない。
下着と靴下のみ回収して部屋に戻り、荷造りを終える。
宿のご主人にお礼を述べた。
もう少しゆっくりしていけば良いと言われたが、一泊分の料金しか支払っていない上にシャワーを二度も使わさせて貰っている。
これ以上、長居するのは申し訳ない気持ちであった。
バスの時間があるからと言い、感謝を伝えて宿を出た。
バスターミナルへ着くと台東駅行きのバスは出発した直後であった。
次のバスまで時間があったので近くの商業施設へ入る。
映画館で映画のポスターを見てみると、ハリウッド映画の題名も台湾の現地語の題名になっており、見ていて面白かった。
そうこうしているうちに次のバスがやってきた。
バスターミナルへ戻り、やってきたバスへ乗り込む。
乗客が数人乗ったバスは台東駅へと走り出した。
台東の夜も色とりどりの看板が煌めき賑やかであった。
ありがとう台東、さようなら台東、また来る日まで、そんなことを心の中で呟いた。
台東駅に到着した。
台北までの切符は台東に着いた時に購入しておいた。
23:54発の特急自強号で翌朝4:30頃に台北に到着する電車である。
駅のホームに入りたかったが電車の出発近くまでは改札口を通れないようになっていた。
仕方がないのでベンチに座り時間をつぶす。
野良犬か分からないが大型の犬がウロウロしている。
こっちに来るなと心の中で願う。
もう2月だと言うのにクリスマスツリーが置いてあった。
売店で紅茶とラムネ菓子を購入した。
梅味のラムネ菓子で、日本で売られている台湾梅干しの味そのものであった。
そして紅茶は相変わらず甘かった。
ようやくホームに入れる時間になった。
この電車に乗って台北へ戻る。
実質、夜行列車で車内泊となるで宿泊料金も一泊分浮かすことができた。
ホームで待っていると電車がゆっくりとやって来た。
切符を確認するとやはり今回も無座(No seat)であった。
私の自動券売機での買い方が悪いのか分からないが毎回無座になってしまう。
しかし今回は時間も時間でこんな夜行列車が満席になることは無いだろうと思い、空いてる席に座った。
もし人が来た場合は席を変われば良いと考えた。
出発まで車内を見渡すも乗客は疎らだった。
特急自強号は定刻通りに出発した。
私は改めて台東に別れを告げた。
特急自強号は暗闇の中を台北に向けて北上する。
台湾旅行も残り僅かである。
続く。
以上になります。
お読みいただきありがとうございました。