最近読んだ外国文学まとめ(図書館本)
久々にまとめて外国文学を読んだので、短い感想を残しておきます。
消失の惑星 ジュリア・フィリップス
ロシアという国の仄暗さとカムチャッカ半島の閉塞感、女性の自由と移民としての自由。一冊通して鬱蒼としているが、最後の最後に小さな光が見える。
天使のいる廃墟 フリオ・ホセ・オルバドス
自死をテーマに置きながら軽いタッチで描かれる本書には、絵本のような趣きさえある。
人の死が孤独のなかにあらず、何気なく扉を開けるようなものであればいいのに。
夜の声 スティーヴン・ミルハウザー
読みにくさはあるけど面白い。ぜんぶ違う話だけど一貫したリズムというか勢いというか、客観的な立場から語られながら自分がその環境のただなかにいる感覚とか、皮肉ながら率直なところとか、ほんとうに独特だけど好きだな。話の終わり方が意味わからんほど不穏なのも面白い。