マガジンのカバー画像

小説のちょっとしたコツ

68
小説のちょっとしたコツや小技、考え方などの記事をまとめています。「文末の処理」「描写の考え方」「ページ数と内容」ほか。
運営しているクリエイター

#コツ

3種類の文章の使い分け〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズです。 今回は「3種類の文章の使い分け」という話です。 小説の文章は3種類小説の文章は主に3種類あります。 1.描写 2.説明 3.セリフ 1,2は地の文に書かれる文章の機能的な分類。 3は基本的には「かぎかっこ」で囲われた会話文です。 ご存じとは思いますが、それぞれ見ていきましょう。 1.描写見たもの、聞いたもの、感じたものなどをそのまま書くのが描写です。 戻ってみると部屋は荒

読者の読む時間を制御する〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読む時間を制御する」という話です。 読む時間の制御劇中の時間だけでなく、読者の読む時間を制御したい場合があります。 たとえば、 ・余韻を感じて欲しいので時間をかけさせたい ・アクションシーンなので読む速度を上げたい などですね。 そういうときはどうするかというと、 ・読む時間をかけさせたい場合は → 文字数を多くする ・速く読ませたい場合は     → 読みやすくする

文末の処理〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「文末の処理」です。 文末のバリエーションは少ない日本語は文末に動詞が来ることが一般的なので、文末のバリエーションは少ないです。 小説の地の文で使える文末は、おおまかに言うと2種類しかありません。 1.〜するの現在形 2.〜したの過去形 またほとんどの場合、「ですます」調ではなく、「である」調になるはずです。 「ですます」調の地の文もあり得ますが、少し特殊な印象を与えると思

描写の考え方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「描写の考え方」です。 描写は情報提示ごくまれに作家志望者の方の原稿を読ませてもらうときがありますが、たまにものすごく詳細な描写を見かけることがあります。 細かい描写がずっと続くのですね。 書き始めたころにはよくあることかもしれませんが、詳しく描写すると「小説を書いている感」を味わえたり、手軽に小説っぽくできるので、ついつい事細かに書いてしまうのだと思います。 特に最初から文

いらない要素を削る〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「いらない要素を削る」です。 いらない登場人物読者はわりと不要な登場人物に気づきます。 読後に「あの人なんだったんだろう?」とか「後半ぜんぜん出てこなかったな」と思ったりするものです。 名前付きの人物は、ある程度全編を通して登場しないと違和感が残ります。 上手く使えないなら、そもそもその人物が必要なのか考えた方がいいでしょう。 その人物がいなくても話が成立するなら、もちろん

プロローグでやりがちなこと〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「プロローグでやりがちなこと」です。 プロローグでやりがちなのは長編では、本編に入る前にプロローグのような章を設けることがありますよね。 ときには数十ページをプロローグに費やすこともあります。 自分もプロローグをつけることが多いですが、以下のようなプロローグはちょっと考える必要があるかもしれません。 1.長い説明 2.過去のいきさつ 3.謎めいたシーン それぞれ見ていきまし

キャラクターの名づけ方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「キャラクターの名づけ方」です。 名づけの注意点キャラの名前をつけるときは以下くらいを注意した方がいいでしょう。 ・長すぎないか ・難読漢字を使っていないか ・他のキャラ名と字や音がかぶっていないか ・音読しにくくないか あまり出てこないキャラならそこまで気にすることはありませんが、主要人物はちょっと考えた方がいいです。 特に主人公の名前は一番多く出る固有名です。 ですから

読点の打ち方を再チェック〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読点の打ち方」です。 読点をどこに打つべきかご存じのとおり、読点とは「、」のことです。 読点をどこに打つべきかというのは、けっこう難しい問題です。 多くの人がなんとなく手癖で打っているのではないでしょうか。 自分も人のことは言えませんので、この機会に見直してみることにします。 文章を書くときの基本的な考え方は「それが読者の利益になるかどうか」です。 読点の場合も、点を打

できるだけ早く作品の魅力を伝える〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「作品の魅力を伝える」です。 シーンの設計基本的に長編は本一冊分の分量で設計します。 何度も同じことを書いていますが、以下のようなボリュームですね。 ・文字数で :10〜13万文字 ・ページ数で:250〜300ページ(1ページ40字×15行くらい) ・原稿用紙で:300〜350枚 この分量の中でシーンを設計していくわけですが、担当さんによく言われるのは、 「作品を象徴するシ

ページの見た目〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「ページの見た目」です。 見た目を気にするページの見た目は漢字の量や改行の数、文の長さなどによって変わります。 見た目が変わると、もちろんページから受ける印象も違ってきます。 ネットで小説を書いている方やアマチュアの方はあまり気にしないかもしれませんが、出版している作家さんはページの見た目をある程度気にしているものです。 ある程度書けるようになったら、最終的な形態が縦書きでも

情報提示の基本〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「情報提示の基本」です。 シーンにおける情報提示小説は、読者に情報を示す → 理解してもらう → 次の情報を示す……と情報を提示しながら進むものです。 小説における情報提示は、全体的な物語のレベルから文章レベルまでいろいろありますが、まずはシーンにおける情報提示について押さえておきましょう。 知っておくといいことをご紹介していきます。 基本の考え方最初に、情報提示の基本的な考

読者が好きなものを書く〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「読者が好きなものを書く」です。 自分が好きなものばかり書いていないか書き始めのころは特に、読者のことなど考えていられません。 書くのに精一杯だからです。 ですから、ついつい書いているものは「自分が好きなもの」になりがちです。 気づけば、自分が好きなテーマ、好きなストーリー、好きなキャラばかりを書いていたりします。 もし、それが受け入れられているなら、とても素晴らしいことで

タイトルのつけ方〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「タイトルのつけ方」です。 中身よりタイトルが大事まずはタイトルの重要性についてはっきりとわかっておきましょう。 読者は「中身が面白いから」読むわけではありません。 中身を読む前に読むかどうか決めるのですから、当然ですね。 では、何を見て決めているかといえば、それはタイトルです。 タイトルを見て「面白そうだな」と思うから読むのです。 もちろん中身が良いに越したことはないの

「面白い」の反対は「よくわからない」〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。 小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。 今回は「『面白い』の反対は『よくわからない』」です。 「面白い」の反対誰でも、面白い(興味深い、感動する、ためになる、なども含めて)小説を書こうとしています。 ですが、面白くしようと考える前にやっておくべきことがあります。 それは「わかりやすくする」ことです。 わかりにくいものは絶対に面白くなりません。 ヒット作品を考えてみればわかると思います。 ヒット作はすべてわかりやすいの