いらない要素を削る〜小説のちょっとしたコツ
崖っぷち作家のニジマルカです。
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「いらない要素を削る」です。
いらない登場人物
読者はわりと不要な登場人物に気づきます。
読後に「あの人なんだったんだろう?」とか「後半ぜんぜん出てこなかったな」と思ったりするものです。
名前付きの人物は、ある程度全編を通して登場しないと違和感が残ります。
上手く使えないなら、そもそもその人物が必要なのか考えた方がいいでしょう。
その人物がいなくても話が成立するなら、もちろんその人はいなくてもいい存在です。
いっそ名無しにしてモブキャラにするのも手です。
役割が同じ登場人物がいるなら、統合してしまってもいいでしょう。
いらないシーン
物語はシーンの連続で成り立っています。
あるシーンの最初と最後で、人物の行動や内面が変化しないなら、そのシーンはおそらく不要です。
変化が起こらないシーンは、シーンの役割を果たしていません。
すべてのシーンにはなにがしかの変化が必要です。
変化を起こすのにもっとも簡単な方法は対立を起こすことでしょう。
衝突といってもいいです。
何かと何かがぶつかると必ず変化が起こります。
シーンが今ひとつパッとしないなら、意見の衝突やちょっとした喧嘩を起こしてみてください。
突然シーンが生き生きとしてくるはずです。
いらない冒頭と結末
書き始めのころは特に、冒頭と結末が長くなりがちです。
冒頭で背景を説明して長くし、結末で終わりを引き伸ばして長くします。
それをすると、物語の始まりも終わりも遅くなってしまいます。
よく言われる方法に、機械的に冒頭と結末の20ページを削ってしまうという強引なやり方があります。
要するに、それくらい不要なことを冒頭や結末に書いているということです。
一度、冒頭を削って、物語が動き始めるところを先頭に持ってきてみるといいです。
そうしてもそれほど違和感はないものです。
事細かに説明しなくても、読者はわりと着いてきてくれます。
結末も、話の後処理が済んだらばつんと切ってみましょう。
後処理というのは、「その後警察が来て〜」とか「病院に運ばれて〜」などといったクライマックス後の顛末です。
シリーズものなら次巻への引きを入れる場合もありますが、単巻ものなら関係ありません。
あまり書きすぎないようにして、あとは読者の想像に任せればいいです。
これらはある種、読者を信用することでもあります。
冒頭でくどくど説明しなくても、結末であれこれ書かなくても、読者はちゃんとわかってくれます。
もっと読者を信用して、いらないところはばっさり切ってみましょう。
すると話がよりコンパクトになり、鮮やかな印象になります。
今回のまとめ
「いらない要素を削る」という話でした。
1.いなくてもいい人物を出さない
2.いっそ名無しにしてモブにするのも手
3.シーンの最初と最後で何も変化がないならそのシーンはいらない
4.変化を起こす簡単な方法は対立を起こすこと
5.冒頭と結末は長く書きがち
6.冒頭は物語が始まるところまでカットしてみる
7.結末は後処理が終わったら切っていい
書いてしまった文章を削るのはなかなか出来ないのですが、削るとだいたい良くなるのでぜひ試してみてください。
それではまたくまー。