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読者の読む時間を制御する〜小説のちょっとしたコツ
崖っぷち作家のニジマルカです。
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「読む時間を制御する」という話です。
読む時間の制御
劇中の時間だけでなく、読者の読む時間を制御したい場合があります。
たとえば、
・余韻を感じて欲しいので時間をかけさせたい
・アクションシーンなので読む速度を上げたい
などですね。
そういうときはどうするかというと、
・読む時間をかけさせたい場合は → 文字数を多くする
・速く読ませたい場合は → 読みやすくする
となります。
それぞれ見ていきましょう。
文字数=読む時間
あたりまえですが、文字数が多くなると読む時間が長くなります。
ですから、読者の読む時間は文字数で制御できます。
つまり、小説における読書時間とは、単純に言うと文字数のことです。
さて、何かの出来事が起こったとして、それが読者に染み込むまで時間をかけたいとしましょう。
余韻を感じさせたかったり、理解するのを待ちたいときです。
そういう場合は上で書いたとおり、なにか文章を追加すればいいだけです。
ですが、新しい情報を提示して読者に考えさせたくはありません。
ただ無意味に時間をかけさせたいのです。
するとできるのは「それほど重要ではない描写を入れる」という方法になります。
言ってみれば「捨て描写」のようなものですね。
ただの時間稼ぎで、その描写に意味はありません。
映像でいうと、重要ではないセリフや新情報のないカットを長めに映すようなものでしょうか。
こういった捨て描写を入れることで、読者に時間をかけさせ、結果として余韻を感じさせたり、理解するのを待つことができるわけです。
読みの速度=読みやすさ
では、読みの速度を上げてスピード感を出したいときはどうすればいいでしょうか?
読者の読む時間は、文字数のほかに読みやすさも影響します。
読みやすくすると、読みの速度が上がるのですね。
するとスピート感が出てきます。
読みやすくするには簡単にいって「ページを白くする」と考えればいいでしょう。
以下のような方法があります。
・文を短くする
・セリフを増やす
・改行を増やす
・句読点を増やす
・漢字を開く
・漢字を減らす
・修飾語を減らす
アクションシーンではこういった手法を使って読みの速度を上げているものです。
とはいえ、小説はアクション描写が得意ではないこともわかっておいた方がいいでしょう。
なぜかというと文章は並列に起こったことを書けないからです。
アクションは同時にいろいろなことが起こるのですが、それを文章で同時に書くことはできません。
文章は直列につながった表現だからですね。
一覧性がないので、マンガや映像のように同時に複数の情報を伝えることはできないのです。
それを理解した上で、どうすればアクションを上手く表現できるか考えてみるといいでしょう。
今回のまとめ
小説のちょっとしたコツ「読む時間を制御する」という話でした。
1.読む時間をかけさせる=文字数を多くする
2.読みの速度を上げる=読みやすくする
3.文章は並列に起こったことを書けない直列表現
細かい制御はできないのですが、作家はこういった工夫で読者の時間を調整しているものです。
それではまたべあー。