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自作小説

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自作小説です。 近未来SFやディストピアものが好きみたいです。 好きな作家さんはたくさんいますが、20代の頃に読んだ池澤夏樹さんへの気持ちが小説好きの基礎になっています。 感想を…
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#創作

【小説・エッセイ】都会暮らし

【小説・エッセイ】都会暮らし

【小説・エッセイ】都会暮らし

 休日には昼、近くのコンビニで鶏そぼろ丼を買って食べてから、大阪万博記念公園へ行くのが習慣になっていた。はじめは子供一人育てるのに特段切り詰める必要はなく、むしろ共働き世帯で休日まで家事に追われたくは無いと鷹揚に構えていたが、そうも言ってられなくなるほど、今日日、食品価格は高騰していっている。気候変動により常となる不作、近隣諸国に購買力で負ける日本。と言うと差し迫っ

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【詩】I admire strong women.

【詩】I admire strong women.

I admire strong women 強い女性にあこがれる

I admire strong women

私は強い女性に憧れる

So I abandoned my mom

だから私は母を捨てた

Couldn't stand that she is fragile 

母が弱いことに我慢ならなかった

And ran away from her abode

だから私は母のもとから逃げ

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【詩】Solitude and Water 孤独と水の詩

【詩】Solitude and Water 孤独と水の詩

Solitude and Water 孤独と水の詩

'Go, go and see my love'

I ask what you have

You are wet your tears

Grief was sucked into the earth

Anyway it will never go back 

You and I only live once

By the word

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短編小説(エッセイ)・私の犬 発達障害と無理心中 前編

短編小説(エッセイ)・私の犬 発達障害と無理心中 前編

短編小説(エッセイ)・私の犬 発達障害と無理心中  前編

 先頃食道がんの手術を乗り越えた義父は、無事、喜寿を迎えた。その御祝いを、思い出深いS県のホテルで豪華にやりたいと言う。薬剤師の資格を取るのに必要なのが四年間だった頃の義父は、T県で終戦を迎えた頃小学生だった。会社に請われて世間に浸透しきらない定年延長制度に従い、同じくT県で生まれ育った祖母は、良い意味でも悪い意味でも、糟糠の妻、良妻賢母

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隣のネズミ-7

隣のネズミ-7

拙作短編「隣のネズミ」はこの回で終了です。
イイネで応援してくださった方、読んでくださった方、誠にありがとうございます。

創作を「晒す」のは、レスポンスをいただける可能性とを天秤にかければ安いものと考えつつも、けっこう恥ずかしいものなので、ほんのちょっとのお気持ちが全て励みになっています。

昭和産まれの人間より、今の人達の心が弱く幼いのは、どうしょうもない事なんだろうか。

 

 高瀬さんが

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隣のネズミ-6

隣のネズミ-6

 水島さんの隣人は、一体何を考えているのか?
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 隣に越してきた水島さんを初めて見たとき、地味な人だと思った。前髪をセンターで分けて、髪を一つに縛っている。小学生低学年くらいの男の子がいて、「大変だから」で、オシャレの優先順位が低いらしい。そういう人を見ると、子供好きながら自分の選択肢は正解だと再認識せざるを得ない。オシャレする間もなく、見た目から疲れてい

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隣のネズミ-5

隣のネズミ-5

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創作 小説 5話です
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それで二週間ほど、あの坂田さんに子どもを任せてみることにした。もしかしたら息子のことを、ある事ない事つぶやきに書かれるかもとは思ったけれど、自己イメージが大事らしい彼女は、クレーマー気質では無かった。その自己イメージの中に、「子供好き」というのがあって、多少のことがあっても息子に目くじらを立てることは無いだろう、と、甘く見ていた。

 知

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隣のネズミ-4

隣のネズミ-4

 私には、ある光景が脳裏にこびりついている。直観的にネズミを可哀想だと思ってしまう。祖父母の農家で、ネズミが殺されるところを見たことがあるのだ。トラウマというほど大したものではないが、寡黙な祖父が、上がり框にうろついていたネズミを叩き殺し、ささくれ立った無骨な手に、ハンカチ一枚だけを乗せ、お腹が破れて赤黒い内臓がはみ出ている死体をつまみ上げ、ぽいっとゴミ箱に捨てていたのだった。

 その頃、豚やウ

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隣のネズミ-3

隣のネズミ-3

7月、旦那の担当する巨額の融資がうまくいき、賞与とは別の報奨金が出たというので、ご馳走でも食べに行こうか、ということになった。あれ以来私は坂田さんを出来るだけ避けるようになった。けれど、意識とは別に、坂田さんと何らかの波長もとい生活リズムが合うらしく、近所のスーパーやマンションの度々出先でバッタリ会った。その頃はようやく新型ウイルスの流行による自粛ムードも収まりつつあり、せっかく満を持して久しぶり

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