コウキョウ

横浜市中区在住。 短編小説や映画の感想文など。 プロフィール画像は、自身の小説をAIに…

コウキョウ

横浜市中区在住。 短編小説や映画の感想文など。 プロフィール画像は、自身の小説をAIに読み込ませ、作者のイメージ画像を作成してもらったらこうなりました…

マガジン

  • 有情滑稽

    〘 名詞 〙 ( 「諧」「詼」「謔」はいずれもたわむれ、冗談の意 ) おどけた滑稽なことば。 また、おどけた滑稽なこと。 詼諧。 かいげき。

  • 部長と美里君シリーズ

    部長と美里君の会話劇

  • 日常

    日常をテーマにしたおはなし。

最近の記事

短編小説:触れたい欲望、届かぬ現実

主人公、田中健太は、整体師としての道を選んだ理由は単純だった。 ある晩、AVサイトで偶然見かけた企画モノのAVに衝撃を受け、その映像に魅了されたのだ。 女性がマッサージを受けることで発情し、セックスへと至る様子は、彼の心を掴んだ。 そして、彼も同じような体験を自分の手で実現したいと強く思うようになった。 整体師になることを決意し、専門学校に通い、厳しい修行を経て、自身の店舗「田中整体院」をオープンした。 しかし、現実は甘くなかった。 彼は無理に女性に手を出すことが、変な噂を広

    • 短編小説:性自認と現実の狭間

      秋も深まり、紅葉が色づく季節の午後、会社の会議室は冷たい空気に包まれていた。 香織は長い黒髪を一つにまとめ、白いブラウスにグレーのスカートを着ていた。 彼女の心には重苦しいものが乗っかっていた。 周囲の同僚たちも緊張の面持ちで、視線を落としたり、手元の資料を無意識にいじったりしていた。 一番前に座っているのは達也。 彼はスーツをきちんと着こなし、メイクも整えていたが、その外見の背後に潜むものを香織は感じ取っていた。 彼の存在は会議室の雰囲気を一変させる。 緊張感が一層高まる

      • 短編小説:未来への架け橋 — 和に内包された美の哲学

        オフィスの窓から差し込む柔らかな日差しが、僕たちのデスクを照らしている。 まるで、これから始まる会話のために特別に用意されたかのようだ。 今日は仕事の合間に、美里君と少し話をすることにした。 彼女は入社して半年が経ち、彼女の成長を測るために、今の心境や経験を聞いてみようと思った。 「美里君、少し話せるか?」と声をかけると、彼女は緊張した面持ちで頷く。 彼女のデスクに近づくと、周囲の喧騒が静まるような、穏やかな空気が流れる。 美里君の目には少し不安が宿り、手は無意識にデスクの

        • 短編小説:ロマンの行方

          「エロ本って買わなくなったよな」 昼休みの社内、休憩室で太一が唐突に口を開く。 その発言に、資料を眺めていた亮介が眉をひそめた。 「何だよ!急に。」 「いや、最近はさ!エロ画像も動画もネットで観れるからエロ本を買わなくなったと思ってさ」 太一はそう言って無邪気な笑顔を見せる。 「確かに、でも俺は昔からエロ本は買ってなかったな。」 亮介はさらりと答えた。 「お前は確かに買ってなかったな。昔からムッツリだもんな!」 太一は昔のことを思い出すようにニヤリとする。 亮

        短編小説:触れたい欲望、届かぬ現実

        マガジン

        • 有情滑稽
          10本
        • 部長と美里君シリーズ
          7本
        • 日常
          6本

        記事

          短編小説:火曜日の朝

          朝、日の光がカーテンの隙間から差し込み、部屋に柔らかな光が広がっている。 携帯電話の画面に向かっている僕は、まだ夢の中にいるようなぼんやりとした意識の中で、日常の一コマを過ごしている。 指先がスムーズにスクリーンを滑り、最新のニュースやSNSのフィードが流れ込む。 そうしていると、隣から君が少し遅れて目覚める気配が感じられる。 目をこすりながら、君は寝ぼけた表情を見せる。 髪が乱れ、少し恥ずかしそうに笑いながら、君はキッチンへと向かう。 数分後、パンが焼かれる香ばしい匂いが

          短編小説:火曜日の朝

          小説:口淫師のエロスとタナトスの受容

          欲求を感じる力 引退した男性口淫師、秋山は静かな田舎町の一軒家で余生を過ごしていた。彼は数多くのクライアントに深い心理的、精神的な癒しを提供したが、今はその全てを背に穏やかな日々を送っていた。 ある日、22歳の女性、真琴が彼の元を訪れた。 彼女は秋山の手によって母親がうつ病から救われたことを知り、自身も口淫師になりたいと弟子入りを希望していた。 彼女の目には強い決意が宿っていた。 秋山は、真琴が弟子入りを志願したその日から、まずは彼の身の回りの世話をするよう命じた。 こ

          小説:口淫師のエロスとタナトスの受容

          短編小説:汗と希望の交差点

          健二は44歳、平凡なサラリーマンだったが、休日の楽しみは近所の陸上競技場を訪れては、女子選手たちの練習を眺めることだった。 その中でも特に目を引くのが16歳の短距離選手、絵里だった。 彼女が汗に濡れたユニフォーム姿でトラックを走るたびに、健二の心に何かが弾けた。 ある日、健二はついに声をかけた。 「お疲れさま。君の走り、いつも素晴らしいね。」 絵里は少し驚いた表情を見せたが、すぐに無邪気な笑顔で答えた。 「あ、ありがとうございます…おじさん、いつも見てくれてたんですか?」

          短編小説:汗と希望の交差点

          詩的小説:甘美な戯れの瞬き

          彼女が大学時代の友人たちと飲みに行った。 僕は自宅で、 静寂に包まれた部屋で、 スマホを手に持ち、 スクロールを続ける。 その瞬間、 画面の向こうに君の姿が浮かび上がり、 心が震えた。 立体感のあるグレーのバレイヤージュが、 薄明かりの中で静かに揺れ、 ショートカットのその髪が、 まるで時間を止めるかのように、 心に深く刻まれていく。 整った眉が意思を主張し、 マツエクが引き立てる目は、 グレーのカラコンで、 まるで夢の中の幻影のように光っていた。 艶やかな唇が、 不敵な

          詩的小説:甘美な戯れの瞬き

          短編小説:儚き泉の美学

          健二は、普通のサラリーマンとして何年も同じルーチンを繰り返す日々に飽き飽きしていた。 毎日、仕事を終え、家に帰り、テレビを眺めながらなんとなく過ごすだけ。 そんな平凡な日々に、彼は心のどこかで何かを求めていた。 ある夜、友人に誘われてデリヘルに行くことになる。 緊張しながらも、健二は選んだ女性の美しさに少し安心し、ふとした好奇心から「おしっこオプション、ありますか?」と尋ねてみた。 驚いた表情を見せた彼女だったが、すぐに笑顔で応じ、受け入れてくれた。 その瞬間、彼女が健二の

          短編小説:儚き泉の美学

          短編小説:抜けないチャーシュー

          暖簾をくぐると、ラーメン店特有の香ばしいスープの香りが鼻を刺激した。午後1時半を回っていたが、店内にはまだ数人の客が黙々とラーメンを啜っている。 油で少し光ったカウンターや、湿気で曇った窓ガラスが、長年の歴史を物語っていた。 お客は空いているカウンター席に腰を下ろし、目の前に広がるメニューをじっくりと見渡した。 視線はチャーシューメンに固定される。 彼の顔には真剣さが漂っていたが、どこか考え込んでいる様子でもあった。 「いらっしゃいませ!」 店員の元気な声が響き、周囲の客

          短編小説:抜けないチャーシュー

          短編小説:瞬間の永遠 — 刹那に宿る美の哲学

          今日は美里君の誕生日。 オフィスは静まり返り、時折聞こえるキーボードの音が心地よい。 彼女のデスクの上には数本の花が飾られ、特別な雰囲気が漂っている。 普段の業務の合間にふと視線を向けると、美里君の笑顔が目に入る。 彼女のその微笑みが、周囲の緊張感を和らげるかのように感じられた。 僕は、彼女のデスクに向かって歩き出し、声をかける。 「美里君、ちょっといいかな?」驚いたように顔を上げた美里君。 彼女の目が輝く。「部長、何か用ですか?」嬉しそうに微笑む彼女の表情は、まるで新しい

          短編小説:瞬間の永遠 — 刹那に宿る美の哲学

          短編小説:齢の枷と無垢な想い

          横浜の丘の上に建つマンション。その一室で、蒼はぼんやりとリビングのソファに腰掛け、静寂に包まれていた。 隣の部屋に住む美羽のことが頭を離れない。 美羽が今、何をしているのか、ふと気になってしまう。 壁の向こう側に彼女がいると思うと、その存在を感じ取ってしまうかのように心がざわついた。 「こんなに近くにいるのに…。」 蒼はため息をつきながら、無意識に視線を窓の外に移した。 彼女のことを考えまいとしても、どこか心が引き戻されるような感覚に抗いながら。 美羽は、蒼が大学生に

          短編小説:齢の枷と無垢な想い

          短編小説:偶然の交わり

          夜の福富町。 彼はいつものようにフリーでキャバクラの扉をくぐった。 指名はしない。それは彼にとっての「偶然」という存在論に基づく行為だった。 運命に身を委ね、誰と交わるか、全てはその瞬間の出来事に過ぎないと彼は信じている。 席に通されると、目の前に現れたのは若く美しいキャバ嬢だった。 彼女は柔らかな笑顔で迎えるが、彼はそれには目もくれず、すぐにウイスキーを注文する。 「失礼ですが…」彼女が話しかけるも、彼は彼女の存在がこの場に呼ばれた理由をまず探し始めた。 そして一口ウイ

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          短編小説:仲間との夜のバカ話し

          入社12年目、営業職で入れ替わりの激しい業界。20人いた同期も今や3人だけが残り、何とか踏ん張っていた。 その3人——圭介、佑樹、菜摘は、いつもの居酒 屋で今日も盛り上がっていた。ふと圭介が言った。 「ちんこ、まんこ、うんこ!」 一瞬の沈黙。そして次の瞬間、佑樹は声を上げて大爆笑。 「ちんこ、まんこ、うんこ!」と復唱しながらさらに爆笑。 そんな2人を見て、菜摘は呆れた顔で「男子って本当にバカだよね!小学生かよ」とため息交じりに呟く。 圭介もゲラゲラ笑いながら「本当

          短編小説:仲間との夜のバカ話し

          短編小説:エロ目線のフェアウェイ!〜オジサン観戦記〜

          第1章:テレビ観戦でのエロ目線 田辺和夫、53歳の中年サラリーマン。 ゴルフは全く知らないが、女子ゴルフのテレビ観戦だけは欠かさない。 なぜなら、彼の楽しみ方は一般のゴルフファンとは一味違うからだ。 ある日、和夫はいつものようにテレビの前に座り、推しの選手である松岡彩香の登場を待っていた。 彼女のタイトなウェア、短いスカート、グリーン上での慎重な動き。 その仕草に目が釘付けになる。 「いいね、いいね…あのスカートがちょっと上がって…ふぅ」 和夫は彩香が芝を読む姿に没頭

          短編小説:エロ目線のフェアウェイ!〜オジサン観戦記〜

          短編小説:0除算で残された解の物語

          雅人は、数学が苦手だったが、ある日、ふとしたことから割り算の奥深さに興味を持ち始めた。特に、0で割ると解が存在しないという概念に不満を感じていた。 「どうして0で割ると解がないんだ?」雅人はつぶやく。 真司と恵理は、いつもの居酒屋で雅人の疑問に耳を傾けながら、ピザの例を使って軽く説明した。 「ほら、8枚のピザを2人で分けるなら、1人4枚だろ?0人だったら分けられないから解なしだってことなんだよ。」 「そうそう、簡単だよ」と恵理も続けた。「誰もいなければピザを渡す相手がい

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