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短編小説:仲間との夜のバカ話し

入社12年目、営業職で入れ替わりの激しい業界。20人いた同期も今や3人だけが残り、何とか踏ん張っていた。

その3人——圭介、佑樹、菜摘は、いつもの居酒
屋で今日も盛り上がっていた。ふと圭介が言った。

「ちんこ、まんこ、うんこ!」

一瞬の沈黙。そして次の瞬間、佑樹は声を上げて大爆笑。

「ちんこ、まんこ、うんこ!」と復唱しながらさらに爆笑。

そんな2人を見て、菜摘は呆れた顔で「男子って本当にバカだよね!小学生かよ」とため息交じりに呟く。

圭介もゲラゲラ笑いながら「本当、バカだよな」と笑いを続けた。

しばらく笑いが続いた後、ふと圭介が真剣な顔で口を開いた。

「ところでさ、ちんこ、まんこ、うんこって、なんで男子はこんなに喜ぶんだろうな?」

佑樹は思わず「何だよ、急に真面目かよ」と笑いつつも、2人で顔を見合わせる。菜摘も「確かに、何で?」と疑問顔。

圭介はさらに深い顔をして言った。

「俺なりに考えたんだよ…『○んこ』の語尾に『んこ』がつくと心が踊るんじゃないかってな。」

佑樹が一瞬、納得した顔をしてうなずいたが、「でも餡子とかインコとか、金庫とかは?心踊らねぇだろ?」と指摘する。

「……たしかに。」

2人は頷き、菜摘がツッコミを入れる。「だからダメじゃん!」

「そう、そこで俺は気づいたんだ。『ち』『う』『ま』っていう文字に真理が隠されてるんだよ!」圭介が真剣な顔をして語りだすと、2人はじっと聞き入る。

「『ち』は地球、『う』は宇宙…」

その瞬間、佑樹が「なんだよ、くだらねぇ!」と笑いながら遮るが、菜摘はまだ気になる様子で「じゃあ、『ま』は?」と圭介に尋ねた。

圭介は自信満々に言った。

「『ま』は、満月だよ。」

2人はぽかんとした表情。圭介は肩をすくめ「バカだな!地球と宇宙、満月だぞ。心躍るだろ?」と得意げに言い放つ。

「それに…今日は中秋の名月だろ?」圭介は突然トーンを落とし、しんみりした表情で続ける。「新卒で金もなかったあの頃、3人で月見バーガーを買って月を眺めたのを覚えてるか?」

佑樹はその瞬間、目を輝かせて「おおお、覚えてるぞ!あれ、めっちゃ美味かったよな!」と笑顔になる。

菜摘も懐かしそうに「そんなこともあったね。もう12年目だけど、私たちまだ頑張ってるね」と微笑む。

「なっ、心躍るだろ?」と圭介は満足げに2人を見渡し、静かに笑った。

「こうしてくだらないことで笑い合える時間って、いいよな!」圭介は2人の顔を見ながら語りかけた。

「何カッコつけてるんだよ!」と佑樹がツッコミを入れる。
夏菜も「ドラマの見過ぎ!」と笑いながら佑樹に賛同した。

顔を見合わせて笑い合う3人。その瞬間、この時間が彼らの明日への活力になることを感じていた。

なんてことのない3人のくだらない時間。
それでも、3人とってはかけがえのないひとときだった。

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