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【熱中症🥵】入浴と熱中症の関係性について!

今夏は記録的な猛暑が続き、高齢者を中心に熱中症が原因と考えられる死亡が多発しました。この猛暑のため職場でも建設業などの屋外労働を中心に熱中症が原因とみられる死亡者数が例年になく多くなっています。

今年も、6 月下旬~7 月中旬にかけ熱中症の疑いで多数が病院に救急搬送されました。

労働者の熱中症と入浴との関連では、熱中症の症状分類のうち大量の発汗による塩分喪失に対して、塩分を補給しなかったことによって四肢や腹部の筋肉の痛みを伴い、 発作的に痙攣を起こす「熱痙攣」が、作業終了時の入浴中にも発現することが知られています。



入浴との関係性


入浴の副作用と考えられる病態に「湯疲れ」があります。

「湯疲れ」とは、一度の入浴で長時間入り続けることで起きる急性症状をいい、急激な発汗により身体の水分が失われたり、塩分・ ミネラルが失われることにより起きる「熱疲労」の一種で、全身倦怠や吐き気などを特徴とし、 重くなると「熱中症」で意識障害や痙攣が起きることもあります。実際、長時間の入浴により意識を失い熱中症と診断された症例が報告されています。


さて、わが国では、多数の高齢者が入浴中に予期しない浴中死を遂げていることから、入浴の安全性が求められています。

ある文献によると、入浴中の事故を防止するため湯温は40°C以下を推奨しています。
また別の文献では、40°C 20 分の入浴実験を行い、高齢者は、若年者に比べ、入浴直後の収縮期血圧の急激な上昇と入浴中の下降がみられ、入浴中の核心温上昇と発汗量増加が少なかったことから、高齢者では入浴の温熱作用が低いため、熱い湯や長湯になり易いことが一層血圧変動幅の拡大を助長し、脳血管や心血管系の障害を起こしやすいと述べられています。

高齢者の入浴中の予期しない死亡の原因のひとつとして熱中症による失神が考えられ、救助が遅れると体温がさらに上昇して血圧低下や溺没により心肺停止に至るとされています。


冬季の風呂は熱い湯が好まれるが、寒い脱衣室で裸になると血圧が急上昇し、熱い湯に入ると温熱効果により血管が拡張して血圧が急激に低下し、さらに暖まって発汗が生じると、 血液粘度が増し心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。

この状態で浴槽から急に立ち上がると、起立性低血圧となり失神するが、特に循環機能が低下した高齢者では、気分が悪くなって湯中に没すると数分で死に至るとされています。

しかし、ある文献によると、高体温や長時間入浴を認めない浴中死が多いため、失神から溺水する事例は少なくないが、熱中症に関連して、臓器障害から死亡する事例は少ないのではないかとし、むしろ圧受容体を介する神経調節性失神が寄与しているとされています。

ただし、神経調節性失神は、温熱、静水圧、加齢性変化、素因、自律神経系、心疾患等の影響をうけ、状況によっては健常者にも起こります。

最近、サウナ浴や岩盤浴中に重症熱中症を発症した高齢症例も報告された。サウナ浴では、脱水を伴うために、熱中症、脳梗塞などを発症しやすくなり、一方、岩盤浴はサウナ浴とは違って室温が低いために負担を感じずに長時間入浴を続けることができるが、発汗作用についてはサウナと同程度と考えられていることから、熱中症発症予防には十分な監視体制の整備が必要であります。


いずれにしても、各種入浴による熱中症発症を予防するために、今後も安全な入浴法の啓蒙の継続が必要と考えられます。


入浴の主な効果

・リラックス効果:温かいお湯に浸かることで、副交感神経
    が優位になり、ストレスが軽減されます。

・血行促進:温熱作用により血管が拡張し、血流が良くなり
 ます。これにより、疲労物質や老廃物が体外に排出され
 やすくなります。

・筋肉の緊張緩和:浮力作用により体重が軽く感じられ、筋
   肉や関節への負担が減少します。

・美肌効果:お湯の蒸気で毛穴が開き、皮脂や汚れが取り除
 かれやすくなります。また、新陳代謝が活発になり、肌
 のターンオーバーが促進されます。

・睡眠の質向上:入浴後に体温が徐々に下がることで、自然
    な眠気が誘発され、深い睡眠が得られやすくなります。


効果的な入浴方法

・温度:40℃前後のぬるめのお湯がリラックス効果を高め
 ます。筋肉の疲れを取りたい場合は42〜43℃の少し熱
 めのお湯がオススメです。

・時間:10〜15分程度の入浴が理想的です。長時間の入浴は
   のぼせや乾燥肌の原因になることがあります。

・タイミング:寝る前の1〜2時間前に入浴することで、質
    の高い睡眠が得られます。


温かいシャワーと冷たいシャワーの違い

冷たいシャワーと温かいお湯のどちらが効果的かは、目的によって異なります。それぞれに異なる健康効果がありますので、以下にまとめてみました。

温かいお湯の効果
・リラックス効果
: 副交感神経が優位になり、ストレスが軽
    減されます。

・血行促進: 血管が拡張し、血流が良くなります。

・筋肉の緊張緩和: 筋肉や関節の緊張を和らげる効果があり
   ます。

・睡眠の質向上: 寝る前に温かいお湯に浸かることで、体温
    が下がりやすくなり、深い睡眠が得られます。

冷たいシャワーの効果
・目覚め効果
: 冷たい水が交感神経を刺激し、目が覚めやす
   くなります。

・血行促進: 血管が収縮し、その後拡張することで血行が促
   進されます。

・免疫力向上: 一部の研究では、冷水シャワーが免疫力を高
    める可能性があるとされています。

・筋肉の回復: 運動後の筋肉の炎症や痛みを軽減する効果が
   あります。

どちらを選ぶべきか?

・朝の目覚めや運動後の回復を目的とする場合は、冷たい
   シャワーが効果的です。

・リラックスや睡眠の質向上を目的とする場合は、温かい
   お湯が適しています。

どちらも適切に使い分けることで、健康効果を最大限に引き出すことができます。


まとめ

最後に安全な入浴法を遵守しつつ、温泉入浴を楽しんで欲しいため、自身の体調管理等は把握し、無理せず少しでも体調が優れないようでしたら、脱衣所で涼しみながら水分補給を行うようよろしくお願いします!

本日もご覧頂きありがとうございます🙇‍♂️
毎シーズン夏は暑く熱中症なりやすいため、皆様も気をつけてお過ごしください🍀

今後もタメになる情報をお伝えできるよう頑張りますのでどうか筋肉名鑑をよろしくお願いします🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️


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