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【SS小説】幸せの幻覚 Vol.3

第三章-大城 学(おおしろ まなぶ)-

秋の夜は優しい。
夜風に乗って感じる秋らしい哀愁が
今の僕を励ましてくれる。そんな気がする。

妻からの突然の、お別れのLINE。

何度も電話しても何度もメッセージを送っても
妻に届くことはない。

急いで病院まで向かうが
看護師の方から今は面会できないと断られる。

この辛さは別れる辛さなんかじゃない。
なにも分からないのに全てが終わるかもしれない
恐怖に近いものだろう。

病院から帰る途中の公園で歩く事ができなくなった。
この現実に起きてる全ての事が信じられない。
ここから歩いても、そこに幸せは無い。

夜の公園のベンチで
1人座って地面を見る。全ての景色にピントが合わない。

項垂れてる僕に
1人の女性が声をかけて来た。

「お兄さん大丈夫ですか?」

20代前半くらいだろうか。
金髪で少し派手な見た目をしているが
目が大きく顔は整っている。

「大丈夫です。少し休んでいただけです。」

目を合わさずに
再び地面を見ながら言葉だけを彼女に伝えた。

「いや、大丈夫じゃないでしょ!良かったら近くで休みましょう!これ位で大丈夫ですから。」

彼女はそう言うと
指を3本にして僕に提示してきた。

これはいわゆる、パパ活というやつか?
それとも家出少女的なものか?

どちらにせよ、そんなものには関わりたく無いし
そんな気分でもない。

「結構です。」

僕はそういうと、ベンチから立ち上がり
彼女の横を通り過ぎようとした。

すると彼女が制止するかの様に僕の腕を掴んだ

「あれ?お兄さんリスカですか?」

寝る前だった事もあり、
僕は半袖にスウェットとかなりラフな格好で
病院に向かってしまった事もあり

彼女が僕の腕の包帯を見つけた。

「やめてください。離してください。」

「いいじゃん。私もしてるよ。お互い慰め合えば良いじゃん」

しつこい彼女を僕は振り払った。

「きゃっ」

彼女は僕の包帯を掴んだまま地面に倒れた。

見られたか、、

僕は無言で彼女から包帯を奪い
走って家に帰った。

家に帰る度に、
妻の匂いが僕の鼻と心を抱きしめる様に
覆ってくる。

今まではこれが幸福だったが
今ではこの匂いが悲しみの気持ちのスイッチを押す。
僕はまっすぐリビングに向かい、
捨てられずにいるハネムーンのパンフレットの
横にある薬に手を伸ばした。

「ふぅぅうう」

全てがリセットされる感覚。
今まで頭でゴチャゴチャしていたものが
全て無くなり幸福感が湧き上がる。

「明日また会いに行けばいい」

誰もいない部屋で1人で呟き
どんどん頭が真っ白になってくる。

僕はソファー寝転び
気絶するかの様に眠りについた。

下半身には温かい感覚。
「ああ、明日掃除しなきゃだな。」


⬜︎前回の話

⬜︎第一章



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