![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143743780/rectangle_large_type_2_adf03cb58eadafafa7967c54a09c4cec.png?width=1200)
私立夜宵★図書館【2024/6】
夜宵★の読書は図書館の本と決まってる。
貧乏だったから、本が読みたかったら図書館で借りなさい、って母に言われて育って、図書館は行きつけだった。
だけどこのところ読書量が激減。
今年は意識的に読もうと決意した。
図書館で借りて、夜宵★の心の図書館に入った本をいざご紹介!!
✦『ラザロの迷宮』神永学
まさに迷宮、しかも多層構造の。
多少設定に強引さや、キャラクターの整合性に疑問を感じる部分もないではないが、裏切りに次ぐ裏切りの展開に魅了されずにはいられなかった。
『 ヨハネによる福音書 』より、ラザロはイエス・キリストの友人で、キリストによって死から蘇る「ラザロの復活」の逸話で有名な人物。
この「ラザロ」が、二重の意味をもつことに読了後気付くことになる。
✦『西遊記 16 化の巻』呉承恩(原著)、斉藤洋(著)
呉承恩の『西遊記』は、小学校に入って初めて図書館で借りた本(←たぶん子ども向け)。
うちに帰ってゴロンと横になり、数時間一気読みしたのを覚えている。
おもしろくてやめられなかった。
そんな体験があってか、西遊記と名の付くものはいくつか読んでいる。
中島敦の『わが西遊記』、平岩弓枝の『西遊記』、万城目学『悟浄出立』。
どれも魅力があっておもしろい。
斉藤洋さんの『西遊記』は、何気ないセリフの中にそのキャラクターの個性が光る。
端的で素直な文体で好きだ。
(斉藤孝さんの本は、『白狐魔記』シリーズも夜宵★はお気に入りである。)
ちなみに、斉藤洋さんは『西遊記』の後日譚『西遊後記』なるオリジナルストーリー(?)も出している。
『西遊記』が完結する前に、同時進行で刊行するというユニークさ。
こちらも絵は広瀬 弦さんが担当。
躍動感ある大胆な構図ながら繊細に描かれ、キャラクターが生きている絵。
この広瀬 弦さんの絵があるから、私はこの本がよけいに好きだ。
✦『本日は、お日柄もよく』原田マハ
OLが選挙のスピーチライターに! ? 言葉のもつ限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。スピーチの極意もお教えします!
さらっと読みやすかった。
うまくいき過ぎるストーリー展開かなと少し思った。
スピーチを作る過程の、試行錯誤のくだりが欲しかった。
スピーチライターという仕事について知れたのはよかった。
✦『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日にだけ「抹茶カフェ」を営むことに。ついていない携帯ショップの店員、妻を怒らせてしまった夫、恋人と別れたばかりのシンガー、時代に取り残されたと感じている京都老舗の元女将……。思い悩む人々が誰かの何気ない言葉で前向きな気持ちになっていく――。
月曜日の抹茶カフェから始まり、抹茶カフェに戻るショートストーリー集。
脇役が次の主役になり、睦月から師走までの12ヶ月を繋いでいく仕立て。
だから、各話に親和性があってなじみやすく、このときの彼はこんなことを考えていたのか、という答え合わせもできて楽しい。
各タイトル通り、それぞれの話に季節があり、読み進めることによって一年の時間経過を擬似体験できる。
登場人物の心の経年変化も。
方法論といい、描き方といい、秀逸。
猫が主人公の話は「言い得て妙」という感じで、興味深く読んだ。
✦『まずはこれ食べて』原田ひ香
ごはん繋がり、会社の仲間繋がりのショートストーリー集。
読んでいるとそのごはんが食べたくなる。
ごはんの丁寧な作り方の描写である。
しかし、単なる秀逸なごはん小説だと思ったら落とし穴にはまる。
ごはんの描写力のある作家の作品はおもしろい。
古いところでは池波正太郎、山田詠美、千早茜・・・。
逆もまた然り、かどうかは不明。
#わたしの本棚
#図書館
#読書感想
#読書
#本
#読書感想文
#小説
#小説レビュー
#夜宵
#夜宵図書館
#ラザロの迷宮
#神永学
#西遊記
#斉藤洋
#本日は 、お日柄もよく
#原田マハ
#月曜日の抹茶カフェ
#青山美智子
#まずはこれ食べて
#原田ひ香