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2022年12月の記事一覧
140字小説【歴史の1ページ】
「よし、決めた! 俺、明日から動画配信者になるわ!」
「やめとけよ。どうせまた三日坊主で終わるに決まってるって」
「そんなのやってみなきゃわからないだろ! いいか、これが俺の新たな歴史の1ページだ!!」
と、豪語していた彼だったが。結局長続きなどせず。
彼の歴史は1ページで終わった。
140字小説【ふぬけ】
「はひへほ?」
「ん?」
「はひ、へほ?」
「何?」
「はひ! へほ!?」
「だから何? ハッキリ言ってくれなきゃ分かんない!」
「ゴメン、もういい」
もう、何なのよさっきから。いくら夫婦だからって、何でも通じ合えるわけじゃないのに。
大体、何で『ふ』だけ取って……
「……太ってないわよ!!」
140字小説【バカと天才は紙一重】
「やった! ついに完成した!!」
「さっきから騒がしいね! 一体何してんのよ?」
「母さん、見てよこのミクロ光線銃! これで何でも小さくできるんだ!」
「みくろ? 何それ?」
「例えばこの0点の答案用紙も、ほら! 安全に証拠隠滅できるでしょ!」
「へぇ〜、アンタまた0点取ったのね」
「あっ」
140字小説【許容範囲外】
「こないだ米にシチューかけて食べてみたんだけどさ」
「ええっ!? 絶対合わないでしょ!」
「いや、これが意外と合うんだって! お前も一回試してみ?」
「いやいや、私は無理!」
「そう言わずにさ。美味いから!」
「これは『美味いか不味いか』の問題やない! 《許せるか許せないか》の問題や!!」