Nazori −ナゾリ−
読めば読むほど、どんどんツボにハマってく!? ナゾリの140字小説特集! 2024年も笑い、足りてる? ※無断転載および転載は原則禁止です。
ナゾリプレゼンツ、略して【なぞぷれ】こと、140字リレー小説企画の作品を収録しています。全25話+裏バージョン。《参加クリエイター︰ナゾリ・歩行者b様・スズムラ様・中西篤様》
読めば読むほど、どんどんツボにハマってく!? ナゾリの息抜き的140字小説を多数収録! ※全編フィクションです。 ※無断利用および転載は原則禁止です。
これまでに公開してきた140字小説の中で、ナゾリの実体験に基づくシリーズをまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。 ※無断利用および転載は原則禁止です。
「この帽子、どうかしら?」 「大変お似合いです、お嬢様」 「本心で言ってる?」 「恐れながらお嬢様は、名だたるモデルよりも端正なお顔立ちでおられますから」 「それは買いかぶりすぎじゃない? あっ、これも頂戴」 「本当に買ってはかぶりすぎだと思います。あと、そちらと同じ物すでにお持ちですよ」
キャスリング・ザ・ワールド第3章 Part7【ヒューマン・チェス −向かい合う世界、向かい合う人類−】 暇を持て余し、一人でチェスを嗜んでいたマリー。そこから得たヒントを元に、旅の新たな目標を立てる……!?
「最後はパスタソースですが、材料をよく混ぜて乳化させるのがコツですね」 「じゃないと私たちみたいに分離しちゃいますもんね」 「え、え〜っと……まずオリーブオイルを一垂らしして……」 「人たらし……まるでアナタのよう」 「こ、この続きは公式アプリで! レシピも詳しく公開してますので〜っ!」
「うどんに蕎麦、ラーメン……あらゆる麺類が群雄割拠する中、我らが選ばれたのだ!」 「ついに来ましたね、我らの時代が!」 「そうだ! 今こそ奴らにはない、我らパスタの結束の力を紐解くときだ!」 と、息巻いていた彼らであったが。ほどなくして熱湯の中でバラけてしまったのは、言うまでもない。
在宅ワークで一息ついていたら、パートナーが「甘い物どうぞ」と、なぜか煎餅を出してくれた。 「うん、甘……じょっぱいね。他に何か甘いのない?」 と所望すると、次に出してきたのは最近流行りの韓国のお菓子で…… 「うん、甘……辛いね。もっと、こう……純粋に甘いヤツは――」 「甘ったれんな」
「何か私に隠れて美味しそうな物を食べてるじゃん」 「あっ、いや……これは……ま、まずいまずいまずいまずいっ!」 「『まずい』って何が? 味? それとも私に見つかったこと?」 「えっと……あ、味です……」 「ほ〜う、じゃあ私が確かめてあげるよ」 こうして密かな楽しみを根こそぎ平らげられた。
かつて俺のことを「好き」と言ってくれた妻。その妻に高級な服やバッグをプレゼントすると「大好き」と言ってくれた。 さらに銀婚式のお祝いで別荘をプレゼントしたら、今度は「大大だ〜いすきっ!」と言ってくれた。 ここであらためて、俺のことが好きか妻に聞いてみた。 ……くしゃみをされた。
「本当スゴいよね。子どもの頃はイジメっ子の男子に玉蹴り食らわせていたアンタが、今ではサッカーの日本代表だもん。今でも男相手に玉蹴りしてんの?」 「さすがにしてないわ! っていうか、そういうアンタもアナウンサーになって、スポーツ選手相手に玉の輿を狙ってるんでしょ?」 「悪い?」 「別に」
「先生にいただいた薬を飲み始めたんですけど、本当に頭が良くなるんですよね?」 「左様でございます」 「だから勉強もやめたんですけど、この先も一生、勉強しなくていいんですよね!?」 「左様でございます」 「ところで最近、九九が言えなくなってきた気がするんですけど……?」 「作用でございます」
「茹で上がったら粗熱を取りましょう。熱とともに、あれほど食べたかった気持ちも冷めてくると思います。そして粗熱が取れたらタレに漬け込み、冷蔵庫で一晩置きます。すると明日には、気が変わって違う物が食べたくなっているでしょう」 「そう考えると、すぐ食べられるレトルトってありがたいですね」
「トンカツにしっかり出汁が染みていて、歯がいらないんじゃないかってくらい柔らかくて、そこに卵も相まって、口の中で強さと優しさが同時に感じられるというか……」 「カツ丼を一口食べただけで、そこまで喋ることある? あんまり喋りすぎても冷めるでしょ」 「むしろ冷ましてるんだよ、猫舌だから」
小説投稿サイト・エブリスタにて、現在はこういった作品を執筆しております。 みたいな感じで、来年以降は140字小説の毎日投稿をしない代わりに、執筆中の長編小説の宣伝を逐一していこうと考えておりますので、皆様よろしくお願いします。
「ここから例のレストランまで、どうやって行くの?」 「ちょっと待って。え〜っと、今いるのがここだから……この道を南下していけばすぐだね」 「『何かする』って、何するの?」 「えっ? いや、だから南下していけば……」 「その『何かする』が意味不明なんだってば! ヒッチハイクでもするの!?」
「今度は何を作ってるの?」 「リュックサック。マフラーとか座布団とか作れたから、どんどん創作意欲が湧いてきちゃってね。ちなみに君だったらどんなリュックサックが欲しい?」 「そうだねぇ……背負うだけで空を飛べる、みたいな?」 「一応聞くけど、素人のハンドメイドにそこまで命を預けられる?」
付き合い始めた彼女と初めてカラオケへ。そこで彼女は、最近流行りの女性アーティストの曲を入れた。 しかしその曲はあまりに歌詞が複雑で、とても素人が初見で歌える曲ではなく。彼女もまた例外なくAメロからラップ調で口がもつれてしまい…… やがてサビに入ると、彼女はそっとマイクを置いた。
「クレーンゲームの本体って、買ったらいくらぐらいするのかな?」 「さぁ……百万くらい? 何で?」 「だって『家にクレーンゲームが欲しい』って、夢じゃない?」 「俺はクレーンゲーム本体より、達人級にクレーンゲームが上手い友達が欲しいかな」 「それは『おこぼれ』が欲しいってヤツじゃないの?」