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【2024年】読んだアート系の本ベスト10

【約2,500文字、写真1枚】
2024年に読んだ本(156冊)から、アートに関する本ベスト10を紹介します。気になる本があれば幸いです!

▶︎ 結論

「アート」と言っても、幅広いジャンルからの選出となりました。普段から、本を読んでいると、展覧会に行った時に得られる気づきも、角度が変わります。そして、また本を読んだ時の気づきも変わる好循環が生まれます。今後も、アートに関する本は読み続けたいと思います。

▼ 2023年に読んだアート系の本ベスト14選


▶︎ 2024年に読んだ本(156冊)

2024年に読んだ本は合計で156冊でした。詳細は上記のリンクをご参照ください。

▶︎ 2024年に読んだアート系の本(22冊)

2024年に読んだアート系の本(22冊)

2024年に読んだ本(156冊)のうち「アート、アートじゃない、アートじゃない、アート…」と仕分けした結果、アート系の本は22冊でした。

「アート」と一口に言っても、非常に幅が広いです。アート全般(美術館、アーティスト)に関する本はもちろん、その他「この内容で展覧会があるか・ないか」を基準にして、アニメ・漫画、建築、音楽、写真、文学、デザインなども「アート系」に含めました。

その22冊の中からベスト10を、それぞれ150文字以内で紹介します(★は私による5点満点の評価です)。

▶︎ 2024年に読んだアート系の本ベスト10

1位:★4.3/『天才の思考 高畑勲と宮崎』/鈴木敏夫

どの章を読んでも、作品とともに当時の記憶が甦りました。私の人生にジブリが深く入り込んでいることや、ジブリは日本の誇りだと再認識。スタッフを常雇いする運営の厳しさ、作る・売る・観てもらう仕組みでヒットを生む工夫などは目から鱗。ここまで作り込まれた作品は「アート」と言っても、否定する人はいないでしょう。

2位:★4.1/『中坊公平なかぼうこうへい・私の事件簿』/中坊公平

瀬戸内海でアート巡りをしたことがある人は必読。著者は弁護士の中坊公平。私は豊島事件を知りたいため読みました。今は象徴的な現代アートで有名な豊島。過去は産業廃棄物が不法投棄され、それが社会に黙殺されそうになった経緯がありました。また、あるべき正しさを貫いた中坊公平の姿勢は見習う部分が多かったです。

3位:★3.7/『仕事をつくる 私の履歴書』/安藤忠雄

安藤忠雄を知るために最適な本。安藤忠雄は私が最も好きな建築家。大阪を愛する気持ち、一生青春と言うバイタリティあふれる行動力には共感し、勇気をもらえました。図書館をはじめ、子供に野生と知性を与え、明るい未来をつくる試みは、読書が好きな私も大賛成。安藤忠雄の魅力は、技術力以上に内面にあると思います。

4位:★3.5/『〈問い〉から始めるアート思考』/吉井仁実

著者による定義は「アート思考=問いを投げかけること」。私は、アート鑑賞は「対話」と考えてきました。アートと対峙し、メッセージを汲み取ることで多様性が磨かれ、(アート以外も含めて)さまざまな側面から物事がさらに見えるようになります。1つの答えを求めがちな学校教育にも、アート思考を取り入れてほしいです。

5位:★3.5/『ディズニーとチャップリン エンタメビジネスを生んだ巨人』/大野裕之

本書の考察は、深い見識と調査に基づいた説得力がありました。ウォルトとチャップリンは頻繁に手紙を交換する仲だったことや、ミッキーはチャップリンをモチーフにして作られたことは初めて知りました。2人に「常に不変で、常に可変」「誰もが見てわかる」という本質が共通しており、それは現代でも真理だと思いました。

6位:★3.4/『アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本』/舛本和也

制作進行」という聞きなれない役割を軸に、アニメ制作について書かれています。アニメ業界に興味がある人は必読。アニメ=総合芸術と改めて気付きました。特に「暗黙の実務」を文字化することは仕事において、大事だと実感。そして、経験により培われた自分なりの答えを常にもつべし

7位:★3.4/『週末はギャラリーめぐり』/山本冬彦

画廊だけでなく、アートのビジネス構造を知る助けにもなりました。展覧会で「1点持ち帰るならどの作品か?」という視点をもつと、作品の見方も変わります。「アートは、分かる、わからないでなく自分が考え、感じるものでいいと思っています。…画廊巡りは、まさにアートのウィンドウ・ショッピングなのです。」p127

8位:★3.4/『サステナブル・キャピタリズム 資本主義の「先」を見る』/長坂真護

アーティストの考えを、本人から学べる貴重な一冊。ほぼアートの素養がなかった著者が、芸術家になった経緯は興味深いです。アートは、作品そのものに価値があるのではなく、作家の考えに価値があると改めて実感。また、ガーナ人も近寄らないアグボグブロシーの焼き場で、2歳児が大人の手伝いをする点は心が痛みました。

9位:★3.3/『ビジネス戦略から読む美術史』/西岡文彦

17〜20世紀のヨーロッパ美術をビジネス側から読む内容。印象派作品の売り込みは特徴的でした。当時は筆致を残さないことに価値がありましたが、印象派は真逆。そして、そこに価値を付加したのは、金ピカ額縁と猫足家具でした。アート鑑賞に際して、私たちは絵ではなく「情報」を見ている側面もあると気づきました。

10位:★3.3/『目の見えない人は世界をどう見ているのか』/伊藤亜紗

テーマは「視覚障害者がどんな風に世界を認識しているのかを理解すること」。点字識字率が10%しかないとは知りませんでした。また、目の見えない人と感想を言葉に出す美術鑑賞は、視覚障害者でなくても、新たなインサイトが生まれる良い取り組みだと思いました。それは、アート鑑賞の本質にもつながります。

▶︎ まとめ

読んだアート系の本ベスト10

気になる本は見つかりましたでしょうか?ベスト3は、鈴木敏夫、中坊公平、安藤忠雄といった尊敬できる人の本でした。また「アート」と言っても、アニメ、美術館、思考法、歴史など、多岐にわたる結果となりました。そういった本を読んでいると、展覧会に行った時の気づきも変わります。今後も、アートに関する本を読んでいきたいと思います。


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Naota_t
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