【展覧会レポ】中野美術館「日本画・洋画の名品」
【約2,500文字、写真約45枚】
奈良・学園前にある中野美術館に初めて行き「日本画・洋画の名品」を鑑賞しました。その感想を書きます。
※本展覧会はすでに終了しています。
【この投稿で伝えたいこと】
❶池を望む「ラウンジ」の居心地が最高!初めて「住みたいと思った美術館」、❷アート収集が趣味なセンスのいい人の家に入った感覚で「家と美術館の中間」のような存在、❸大和文華館とセットの訪問がおすすめ、❹開館期間が短い(年間で約3ヶ月)のがネック。
▶︎訪問のきっかけ
大和文華館に行った後に寄りました。中野美術館は年間約3ヶ月しか開館していないため、タイミングを逃さず行ける時に行くことにしました。
▶︎アクセス
中野美術館は、学園前駅(奈良市)から徒歩約7分。大和文華館からは約2分です。案内看板がそこらじゅうに立っているため、迷わないと思います。
住所:奈良県奈良市あやめ池南9丁目946−2
▶︎中野美術館とは
中野美術館は、林業を家業とする中野皖司により、1984年3月に開館。中野皖司は、奈良県御所市生まれ。畝傍中学卒業→同志社大学 美学及び芸術学専攻卒業→家業の林業を継いだそうです。
約25年にわたり中野皖司が収集した近代日本の洋画・日本画コレクションを中心に収蔵・展示されています。
▶︎「日本画・洋画の名品」感想
展示室は2つ。展覧会の開催期間は6/4~6/30。なお、次の展覧会は、9/14〜10/14、10/22〜11/16!その間は閉館しているため、行ける期間が年間で約3ヶ月と非常にシビア。
✔️洋画展示室(2階)
最初の展示室に入ると、中央に鎮座(鎮立?)している《若い女・夏》。1972年の作品ですが、今見てもランウェーでポーズをとっていそうな、シュッとしたモデルの立ち姿が素敵!
✔️ラウンジ
建築は、万国博、日本庭園の迎賓館を設計した彦谷邦一によるもの。特に、2階から1階に向かうラウンジが最高でした!
この椅子に座った瞬間「こんな家に住みたいなぁ」としみじみ思いました。特に、蛙股池を望む景色が最高です。こんなところに座れば、何時間でも読書ができそうです。
蛙股池では、亀がスイスイ泳いだり、魚がたまに跳ねたり、鳥が池に潜って魚を取ったり。池の色が透明や青ではなく、緑であることも心の安寧にドライブをかけます。まるで東山魁夷の作品を生で見ている気持ちでした。
中野美術館は家の造りが良い!最高のラウンジと展示室も含めて「品のいい誰かの家に来た」感が強いことに加え、来場者もいないため、ゆったりと過ごせます。私が初めて「住みたいと思った美術館」でした。
✔️日本画展示室(1階)
展示室、ラウンジも含めて、アートに造詣の深いセンスのいい知り合いの家に行った印象でした。まるで、家と美術館の合の子的存在。全体的にとても心が落ち着く、伸びやかな気持ちになれる美術館でした。
ただし、来場者が少なそうなことから、このままではいつか美術館がなくなってしまう気もしました。建物も素晴らしく、収蔵作品も素敵なため、もうちょっとフィーチャーされてもいいと思います。
▶︎まとめ
いかがだったでしょうか?閑静な住宅街に佇む品の良い美術館でした。美術品収集が趣味なセンスのいいお宅に訪問したような感覚で、美術館と家の中間のような存在だと思いました。特に、蛙股池を望むラウンジからの景色は最高!何時間でも座っていられる空間は、とても居心地が良かったため、私が初めて「住みたいと思った美術館」でした。開館期間が短いのがネックですが、是非、大和文華館とセットで訪問をおすすめします!